へろーー | 羽月ミリ
電車に乗ってたんですよ、私

3人がけの長椅子で私は真ん中、私の右にサラリーマン、左にオネェさん


ガタンゴトーン、ガタンゴトーン



しばらくすると左のオネェさんが何やらそわそわ


???

トイレにでも行きたいの?


そわそわソワ・・・・・ガタッ


おもむろに立ち上がった

まだ駅につく気配もないのに



オネェさんを見上げる

目が凍りついてる


この電車、結構混んでて周りにもたくさん立っている人がいた


あまりのオネェさんの凍てつく眼差しに、みんながその先にあるものを見る



・・・・・蜘蛛だ


直径5センチくらいの蜘蛛がオネェさんの真上のつり革から糸を垂らし、ぷらーんぷらん揺れている



全員が凍りついた



私は石化した


すると・・・・・



蜘蛛はぷらーんぷらーーんトーーーーイと隣のつり革に


そう

私の真上のつり革に


ツツツーーーーー


糸を使って降りてくる蜘蛛




ぎゃあああああああああああああああああああ(心の声)


私はその前に石化していたので、声も出せず動くこともできない


けど


やつがくる



私はツツーーぷらんぷらんする蜘蛛を凄腕ボクサーの如くよけ


みんなが見守る中



退避成功!!!!☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ




するとそこに



一番奥に立っていたおにぃさんがスーーーっと腕を伸ばした

手には小さなコンビニ袋を持っている


おにぃさんはそっと袋に蜘蛛を入れ、殺さないように袋の口をぎゅっとしばり

そっと鞄の中にしまった



なんというイケメン



私はおにぃさんにかけより

「あの・・ありがとうございました!!」

と伝えた


するとおにぃさんは


コクッと一度だけ、恥ずかしそうに頷いた




にぃさん、あなたがHEROだ







~ あとがき ~


私はおにぃさん、いや

私のHEROが降りるとき、もう一度お礼を言おう

そう思っていた


もしかしたら電車男的発展があるかもしれないかもしれないかもしれない!!

広がる妄想にも余念が無い


ガタンゴトーン、ガタンゴトーン



寝てしまった


起きたらHEROおにぃさんは白髪おじぃさんにかわっていた