我が国には、「閑古鳥が鳴く」という言葉ある。
この言葉には、お客さんが来ず、商売が上手くいっていないという意味がある。
新型コロナウイルスの発生後、閑古鳥が鳴いてしまい、閉店に追い込まれた飲食店が多い。
例えば、東京・有楽町に、「レバンテ」というビアレストランがあった。
ここは、松本清張の名作推理小説「点と線」にも登場した名店で、グルメにはお馴染みだった。
「カキフライが、東京一美味しい店」
と言っていたグルメ評論家もいたほどだ。
ところが、こんな名店ですら新型コロナウイルスで閑古鳥が鳴き、2020年途中に閉店した。
ところで、閑古鳥(かんこどり)は、本当にいるんだろうか?
江戸時代、松尾芭蕉は、
憂きわれを さみしがらせよ 閑古鳥
という句を詠んだ。
あの芭蕉が俳句にしたぐらいなので、閑古鳥は実在する。
閑古鳥が、とても寂しげな鳴き声をしているので、芭蕉はこんな句を詠んだに違いない。
閑古鳥の正体、それは、皆さんも知っているカッコウである。
カッコウは、「カッコー」と鳴く。
この鳴き声が、昔の人には、寂しげに聞こえたのだ。
そして、寂しげな鳴き声が、客の来ぬ流行らない店を連想させるから、
「閑古鳥が鳴く」
という言葉が生まれたらしい。
この記事の画像は・・・
上から1枚目が、芭蕉庵史跡展望庭園(東京都江東区)にある松尾芭蕉像。私自身が撮影したもの。
上から2枚目が、ネット上でもらってきたカッコウ。フリーで著作権に問題のないもの。