ありがとう親父の坪倉正明です
今日も大笑いでいきましょう
まさかのドクターストップ
狂犬病が誕生して
みるみる威力を増して
手当たり次第に噛みついた
そんな私にも夢があった
小学生から始めた野球
中学の頃は
試合か喧嘩かわからない感じ
練習中もバスケしたり
テニスしたり
高飛びしたりで
マジメに野球をしない
それでも夢は
プロ野球選手
高校野球で甲子園
勉強しなかった私は
高校に行く気はなかったが
やっぱり野球はしたかった
そして 高校受験することに
担任の先生は
「勉強してへんのに行ける訳ない」
「諦めろ 」そう言った
私は妙な自信があった
授業中は何時も寝ていたが
数学だけは出来た
トップクラスの奴が
「数学 教えてくれる?」
そう言ってくるほど
その他の教科は
チンプンカンプンで
1点とか5点とかしか取れない
しかし結果は見事に
合格した私
高校野球の
スーパースターの誕生
そんな気分だった
ピッチャーで投げれば
3年生より球が速く
全員でマラソンしても
ぶっちぎりで一番
女の子にはモテモテで
楽しくて仕方がない
授業中は寝てばかりで
1時間毎に食堂へ行って
好きな物を食べまくった
自惚れまくり
相変わらずタバコを吸い
授業をサボりビールを飲んで
昼寝をしてから
野球だけしに学校へ
そんな調子乗りの私に
ついに野球の神様が
ストップをかけた
高校1年生の夏休み
あまりにも足が痛くて
病院に行った
診断は骨折
まぁ直ぐに治ると思ってた私
医者の言葉にビックリする
「かなり古い骨折やね」
「手術しても治らへんでぇ」
「プロ野球とか思ってる?」
「この足では無理やで」
「今すぐ野球やめな車椅子や」
「野球か車椅子かどっち?」
頭が真っ白になった
なんか方法ないのかと
医者に食いついたけど
「絶対に無理」
この一点張り
放心状態で家に帰った
調子乗って
テキトーに野球してる奴は
野球を取りあげよう
野球の神様が怒ったんや
どうしよう?
元に戻れへんのか?
俺の夢は?
後悔しても遅い
そして夜に
「もう学校やめるし」
ビックリするオカン
「野球できひんのに意味ない」
次の日から
学校に行くのをやめた
狂犬病の私の
唯一の夢
それが無くなり
超 狂犬病になっていくのだった