オカンに何て説明しよう? | 天まで響け!とどけ!「ありがとうカレー」

天まで響け!とどけ!「ありがとうカレー」

全国の障害者に送るありがとうカレー。障害者の方達に働ける環境を作り、無農薬で畑で野菜を作り、その野菜でありがとうカレーをつくる。勇気を持って帰ってくれたら幸せです

17歳で島根県へ

知らない土地での生活にワクワクしていた

川の災害復旧工事

住む所は
プレハブハウス
いわゆるハンバ

ご飯は
みそ汁とたくあんは
山盛りあるけど
おかずがほんの少し

肉体労働なので
何を食っても美味い

家賃は無料
食費も無料
タバコも無料

給料全て小遣いに

また給料が
めちゃくちゃ高給

パチンコ行けば
ほとんど勝ってくる

お金が減らない

エネルギーが余りまくってたので
めちゃくちゃ働いた
 
川には
蛙がたくさんいた

捕まえて
ゲテモの屋に行けば
買ってくれる

道端には
マムシがにょろにょろしてる

またまた
捕まえたら
地方競馬場で買ってくれる
小さな商売

風呂が汚いので
毎日 温泉に行った

こんな
生活も復旧工事が終われば終了

またまた
京都へ帰るのか~
と思っていたら

親方が一言

「四日市に来なよ」

ほとんどが
三重県や愛知県の人

18歳で
島根県で運転免許を取得して いざ三重県の四日市へ

まずは
車に乗って
大阪の西成へ行けと言われた

ワゴン車で
夢の街?西成へ

西成は
日雇い労働者の街

そこらじゅうで
道端に座って
酒を飲んでいる~

そこらじゅうで
しょん便してる~

酔っ払って寝てる~

花札をしてる~

99%が作業着で

普通のカッコの私は
明らかに異人

ジロジロと睨まれる

任務は
ワゴン車いっぱいの
働きそうな人集め

こましそうな
おっさん見つけて
声をかける

「おっさん 四日市で仕事せえへんか?」

「何の仕事や?」

「コンビナートや」

「日当なんぼや?」

「8000えんや」

「ほな行くわ」

こんな感じで
ワゴン車がいっぱいになって四日市へ~

一人ずつ
缶ビールとタバコを
買って渡す

四日市に着くと
部屋割をして

「朝7時に迎えに来るし表に出といや~」

そして
次の日の朝

迎えに行くと
半分は夜逃げして
居ない

アル中いるは

シャブ中いるは

ホモはいるは

ややこしい奴ばっか

そんな
おっさん連れて

四日市一デカイ
コンビナートへ

私は
めちゃくちゃ働くので すぐに気に入られて評価になった

ウチの
社長に連絡が入り
「坪倉君に200人の
トップになってもらって受け取りで仕事してもらえないですか?」

社長は
大喜びして
現場のトップになって部下ができた

その時
私は19歳
年上しかいないし
言うこと聞いてもらえない

得意のケンカで
押さえ込んでしまう

人を使うのは
こんなにしんどいのか~っと フラフラ

社長は
「お前は すごく働くけど24時間は無理やろ~」

「人を使うと24時間
戦うことができる」

「人に頼ることを覚えろ」

そう言われた

比較的
誰でもできそうな仕事をしてもらい

私は
超ハードな仕事をした

役割分担して
上手くいっていた

そんなある日
ハードな仕事をして
フラフラな私の目に止まったのは 大きなギア~

大きな古時計の中に
あるような感じ~

私は
何を思ったのか
そのギアーに触った

その瞬間
指を挟まれた

痛いと思った時には
もう遅く

指先から
大量の血が噴き出して 

白いシャツが
真っ赤になった

いつ死んでもいいと
思っていた私は

このままでは
死んでしまうと
必死に血を止めた

そして
指先を見ると

指が

指が

人差し指の
先が無い~

その瞬間

オカンの顔がチラついた

オカンに何て説明しよう?

あんなに
反抗してたのに~

親は
もういらんと思ってたのに~

何で~?

不思議な感じ~

そして
労災の保険金

オカンが
入ってくれてた
生命保険

合わせて
330万の大金を
手にすることになった~