　先週の米国はCPI、PPIの結果を受け、FRBによる利上げ打ち止め期待が膨らみました。

　また、2024年1-2月までの米つなぎ予算が成立する見通しとなったこともあり、目先の懸念材料が大きく後退となりNYダウとナスダックは上昇し、特にハイテク株は好調の流れが続いています。

　一方、国内では、日経平均が33500円台を回復、9月15日戻り高値33634.31円と6月19日の年初来高値33772.79円を残し、バブル崩壊後の戻り高値更新も視野に入ってきました。

　6月高値以降で強弱感が対立しやすい33500円近辺に日経平均は位置しているが、押し目買い意欲の強さは継続しており、過度な下値不安となる材料もない状況です。

　企業決算の発表も終了し、手掛かり難ともいえる週ですが、年末高ラリーへの期待感は高く、きっかけ次第で日経平均は、更なる高みを目指す展開となるかも知れません。

　そのきっかけとなりそうなのが、21日の米半導体大手エヌビディアの第3四半期（8-10月）決算です。

　8月23日発表の第2四半期決算では売上高が過去最高の135億1000万ドルに達し、前四半期比で88％増、前年同期から2倍のサプライズ決算で、8-10月期売上高も160億ドル見通しを明らかにしています。

　生成AI向け需要が注目され、東京市場でも半導体関連株やグロースの関連株に動意が広がる期待があります。

　これを前に、TSMCが11月10日に発表した10月の売上高は前年同月比15.7％増と8カ月ぶりのプラスとなり単月として過去最高を記録、同じく10日に東京エレクトロンが通期業績予想を上方修正するなど、半導体復活の兆しは見えています。

　このほか、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社が円建て社債の発行準備に入ったと伝わっており、5 大商社株に続く日本株への追加投資への期待も高まっています。

　東京証券取引所が16日に発表した11月第2週（6-10日）の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物ベースで783億円強と3週連続、現物・先物の合計では１兆1142億円と6月第１週以来の大幅な買い越しとなりました。

　海外投資家の買い越し基調は引き継がれている様で、日本株にとってはプラスとなりそうです。

　また、米国では感謝祭や24日にブラックフライデーの大規模セールが予定されるなど、クリスマスセールのシーズンを迎え個人消費に注目が集まっています。

　スケジュール

11月20日

　首都圏新築分譲マンション(10月)

中・1年物／5年物ローンプライムレート(LPR)

英・英中央銀行総裁が記念講演会

11月21日

NZ・貿易収支(10月)

米・中古住宅販売件数(10月)

　連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日会合分)

欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が講演

11月22日

米・耐久財受注(10月)

　ミシガン大学消費者マインド指数(11月)

11月23日

日・休場(勤労感謝の日)

独欧英・製造業／サービス業／総合PMI(11月)

米・休場(感謝祭)

11月24日

消費者物価コア指数(10月)

独・IFO企業景況感指数(11月)

米・製造業／サービス業／総合PMI(11月)

　株式市場は短縮取引、感謝祭翌日のブラックフライデー

◎上昇期待　保有銘柄　

○アステラス製薬

米国で前立腺がん治療剤「XTANDI」の適応追加に関する承認を取得。

○東京海上ホールディングス

今期経常を2％上方修正・最高益予想を上乗せ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の2.0％にあたる4000万株(金額で700億円)を上限に自社株買いを実施。

○モリト

今期配当を1円増額修正。

今週の動向について(11/20〜24)