未来.Co 稽古日誌

未来.Co 稽古日誌

2011年、磯島未来が演出・構成を担うダンスグループとして立ち上げ。作品によって集まり踊る人は流動性を取る。
演劇的で構成が無いかと思わせる即興性と場所の特性へ挑戦的に少しずつ歴史を増やす。
次回は10月八戸にて。

『はちのへ演劇祭』参加

未来.Co 「月を運ぶ」

構成・演出・振付 磯島未来

振付・出演 遠藤綾野、磯島未来、岩佐理恵


日時
【未来.Co】出演は、
10月27日(土)19:40-, 28日(日) 13:30-


場所
八戸ポータルミュージアムはっち
http://hacchi.jp/ha/index.html

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【理恵】

再び八戸!ついにこの日が。
快晴、日中は東京とあまり変わらない気温で、過ごしやすい。

そして「はっち」入り。
現場はやはりすごくパワーをもっていて、曖昧に立っていると簡単に消されてしまう。なにも起きてないことにされてしまう。
「はっち」サイズで、いや八戸のすみずみまで見る姿勢でいることが大事なんだな。

今日お昼に見に行った海のように広く澄みきっていて、風圧がすごくて、かぜにうたれることで自分がそこに立っていることに改めて気づかされる。
八戸に来た、じゃあもうやることはひとつだ。

【未来】

はっちに行ってからテクニカルの皆々さまと稽古。
リノが白から黒になったら明かりの印象変わるから今日の段階で何とも分からないという。
だけど明かりが入ってくると日常から離れた舞台という場所になる。
舞台が出来たらやっぱりこれまでと一緒というわけにはいかなくなってしまった。

空間との戦いは思ったより苦戦しなかったように思うけど、
その作られた場所に身を置く者としてどうするべきかということを問わないとならない課題。
次から次へと課題問題が出て来る。燃えますなぁ。まぁいつもギリギリまでしつこいから素直に謝るよ。
ごめんなさい、みんな。
初日あけるまで何が起こるか分からないから、とにかく踏ん張れ地に足つけて。

色々いまの状況で書いていったら長くなりそうだからもうまず明日の初日のことだけ考えよ。
私は創った者として何を残そうとしているのか。
だけど明日はどこかから踊る者として最高の踊りに時間を注ぎたい。
そしたら創った人にどうよこれで、って言ってやる。

とうとう明日幕が開けます。

【綾野】

今日はいよいよ現地八戸入り。朝早い時間の新幹線で八戸に向かいました。
着いたのは昼だったのでそんなに寒く無くてよかった。稽古の前に八戸の海に連れてってもらいました。ご飯は海鮮丼を。。ちょっとユルんでしまいましたが八戸の海や市内を見れたのはよかったです。うみねこもかわいかった。稽古は現地のポ-タルミュージアムのシアターで、いろいろ確認しながらやりました。通しもやりました。今日は少し確認作業が入りながらやってしまいましたが、明日はリハもGPのつもりでしっかりと。今日はしっかり寝ます。


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【理恵】

東京最後の稽古は、やっと30分間覚悟を決めれた。
各場面がバトンをつなぐように、いいペースで運べるように、する。
からだを信じる。

今やっと見えてきそう、
さめないうちにはやく八戸で踊らないと!


【未来】

東京ラスト稽古。
昨夜のあれこれを振り返り、通してみたらノートにはない生まれてしまった時間がいくつもあって創っているのに驚いていた。
それはやっぱり押さえつけず、生まれたものはたくましく育てたい。

昨日より踊れていてもまだ最高じゃなくて、本番に最高になりたいからまだ登る山道があってむしろ嬉しい。険しい方が頂上からの景色はすごく良いに決まってる。
だからまだまだ山道は続く。本番の時間ももちろん、ずっと。油断なんて数秒も許されない。

おぼろげだったラストの時間は身体が話に決着をつけにいったかのようだった。だからあの30分の時間にふさわしい時間だったって思う。身体が示してくれた。
昨日より時間が短くなったからといって中身は薄くなっていない。むしろ濃くて凝縮されたかのよう。

東京の稽古は今日で終わり明日から八戸行って現地で空間との闘いの開始。

きっと八戸はもう寒いだろうな。寒くなっていくのは実はすごく好きなんだ。


【綾野】

今日は東京での最後の稽古、身体の調子があまりよく無かったので気をつけながらやった。やれるところはしっかり。。身体のケアはやりすぎて自分を甘やかすとか、かわがりすぎるとかじゃなくて、大事にしないと結果は本気になれない。。当たり前だけど。その自分の身体をいたわることと作品を大切にすることは似ている。。がさつに稽古だけがんがんやってもだめなんだ。
だけど今まで見えなかったところはしっかりやったそしてやっと見えてきた。これは忘れないように、でも忘れる。
明日からは青森入り!これから行く場所への期待と、これまでこのカンパニーで稽古してきた東京の稽古場がもうしばらくはないと思うと少しさみしいけど、そんなことより本番に向かおう!


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【理恵】

どうすればある域を越えられるのか、それがわたしの場合はどうなのか。
人前で踊ることが余計な概念を連れてきて、どうも嘘っぱちなダンスになる。

もっと自分の中の事を考えればいい。
自分の存在が濁れば、そのまわりの空気も濁る。
頭の中だけで考えてるから外すんだ、直感的に生きないとな。

とにかく大事な言葉をたくさんいただいた日。ダンスで返したい。

【未来】

東京での試演会が終わりました。
来て下さった皆さま、忙しい中本当にありがとうございました。

正直に書けば、踊ることは不完全燃焼で終わっていたけれど
今回の作品「月を運ぶ」での試みを、これまで自分がやってきたことを見てきてくれた人や一緒に踊った人たちに見てもらえて、本番前に思い切ってやって良かった時間だった本当に。誉めてもらいたいわけでなくて、率直な話を聞きたかったから八戸に行く前に。
本番後だとここまでじっくり感想を聞くってこともそうなかったなと思える時間で、あり難い言葉をたくさん貰って背中を押してもらえた。
感想を聞いていて納得することがたくさんあって、だからこそ自分がどうしたいのかとやるべきことがクリアになったように思う。昨夜は恥をさらけ出しきりました。
30分の時間を見てこの作品を通して受け取ることが違うのは当たり前で、同じ身体と時間を見て思うことが、これまで過ごしてきた人生の中での経験や人間関係や見聞したものなんかから過去に結びついたり、何かを想起せたり、それこそ抱く感想がそれぞれってやっぱり素敵だし人生そのものだし、だからそういうことを考えさせる隙間作り(作品の構成って言っていいのかちょっと適切な言葉が出てこないけど。)は、やっぱりやりたいことの一つだなと話を聞きながら思っていて、そんな有意義な歓談の時間だった。

そして作品の話を書くと、
人それぞれの生き方があるから、みんな一緒なんてそんな平和な時間はありえなくて
見てきた人たちにそれぞれこれまで過ごしてきた時間があるように、私たち3人にもこれまでの別々の生き方の時間があって、そして偶然なのか必然なのかいま一緒の場に存在しようとしている。
だけどそこにフィクションはあっても、本当の人生をフィクション化するような塗り替えるようなことは私には出来なくて、フィクションの時間を構築は出来ても、過去や今の状況を変える本当の人生の生活の時間を変えることは私には出来ない。

人と違うことを誇りに思っていてもらいたい。
過ごしてきた時間が違うから生き方がいま違うように、だからそしたら自分はいま何が出来るのかってずっとずっと問い続けていて欲しい。
それが踊りを生むきっかけになって強く生成していく様を見逃さないよう目を離さず見ていたい。
着火した火を絶やさないでいたい。そんな熱い濃い時間に身を置きたい。
気持ちの良い風が吹く中で身体を研ぎ済まして、身体の声をずっと聞いていたい。

【綾野】

今日は吉福敦子さんのスタジオ「goo」での試演会でした。
12人位の方が足を運んで下さいました。
本会場より少し狭いそして本会場はブラックボックスですが、白い壁に囲われた雰囲気としてはだいぶ違うスタジオ。そしてお客さんとの距離も近かった。。

終わってから観にきてくれた方々とお話する時間がありましたが、もちろんそれぞれ皆さんの感想、作品の内容の事、3人の関係性、ボールとの関係性、それから1番話題に上がったのは空間の感覚、、、広大無辺なのか、仕切りがあるような「部屋」なのか。。そのことでだいぶ目線や踊りも変わってくる。何かを触ったときや3人でいるとき。。
これらのズレがあったので話しあえてよかった。本番まであと東京でやる稽古は一回!身体の調子も整えながら悔いなくやろう


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【理恵】

作品の話が進む中で、後半なかなか自分に変化が起きない
もっともっと丁寧に時間をすすめていかないと
次の話に進む理由がない
あと残り片手で数える数しか稽古がない
もっと考えないと、あっというまに週末だ。

【未来】

毎日毎日構築して壊して、を繰り返しているかのようだ。
削ぎ落とし作業に入っているのは分かっている。切れ味を良くするためには地味であっても研ぎ続けることをやめてはならない。派手がすべてじゃない。
身体がついてこないのは悔しい話である。
話が出来てきて語り手が話し始めて、だけどそれが棒読みだと聞き手は面白くないんだ。
知ってる。

もう残り時間は迫っていて、もうそろそろこの話も終わりが近づいてきている。
どう句読点を打てばいいのか。
どう終わらせればいいのか。
まだ迷っていたい。


【綾野】

あと稽古回数残り何回のカウントダウン、、
そんな中シーンに関しては最後までいろいろ変更の試行錯誤。
予定通りに進んだとはいえない稽古だった。。同じ事を練習するときも、新しく変更や応用をきかせて稽古するときも、共通しているのは新鮮さ、緊張感、パワーであり、つまらないぼんやりしたなあなあな所はいらない。いいテンションに持っていかなきゃいけない。最後までがんばろう。



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【理恵】

どんな場所であっても、そこで生きていくと決めたら全力で立ち向かっていくしかない。
それ以上も以下もない、理想論を並べたところで「だから?」という話。
それができなければ結局どこへ行っても中途半端な生き方しかできないんだろうな。

もう今日のような身体は許さない、と思うくらい今日はうまくいかなかった。
原因は…会議室の大きさの意識しか持ってなかったことだろうな。
もっと上も下も横にも世界は続いてるのだ!

次のリハまで時間があく、いろいろ忘れてまた新鮮な時間が来ますように。

【未来】

最初から確認後に通し。
気負いに追い付かない身体の在り方。
冷静とは違うただ温度の低い身体。
身体は生物(なまもの)だから、と呑気なこと言ってる暇も余裕も無い。

この2ヶ月はあれこれそれこれ試しに試して色々とやってきたけど、やっぱり自分の好きなものって昔から変わらない、そう思った。
今日が終わって数日空くけど、その間に違う刺激をもらってきてまたラストスパートに向かおう。


【綾野】

今日は絨毯の床 滑りにくすぎるので
靴下でやったらあまりよくなかった。(滑りすぎた)いよいよ残す稽古もあと5回
最後まで勢いを燃やす、ということと大切にしたいということと両方。
今日は衣装やあるいくつかのシーンに関して ああでもない、こうでもないとやったり、通しももちろんやった。
通しは感覚としてうまくいったところといまいちだったらところと両方。試行錯誤と反省点を思い返して次に生かさなきゃ。


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