冬季オリンピックも終わり二月も最終日を迎える今日。
今月、特に気になったニュースについて書きたいと思います。
中央区立泰明小学校の標準服をアルマーニというイタリアの海外ブランドのものに変更することを決定したというニュースについてです。
校長は銀座という土地で育ってきた誇りを持つことができて絆を感じられる標準服にするためにブランドの力を借りたかったとのことで今回のことを推し進めてきたようです。
しかしながら、このニュースに全く関係ない私ですが、個人的意見だけを申しますと非常に憤慨しております。
何がどう気に入らないのかという部分については聞かれれば言えますが、そういう考えを整理するよりも前に、このニュースには単純に不快感を覚えました。
感覚的に私には理解ができなかったのです。
もちろん校長一人の独断では実現しなかったであろうことも考えると、他にも多くの大人のチカラが働いたであろうことにも正直理解が及びません。
全身ブランド物に包まれた中身のない大人は山ほどいる。
浮浪者にパリッとしたスーツを着せると、本人も急にパリッとするという話もあるぐらいなので、「形から入る」ことを完全に否定する訳ではありませんが、本当の誇りとか自尊心というのはそう簡単に獲得できるようには思えません。
このブランドの持つ価値をどれだけ子どもが理解するか分かりませんが、例え理解したとしてそこからどのような絆が生まれるのか。
銀座という土地に拘りながら、国内のブランドやデザイナーに依頼せず海外ブランドに依頼するというのにも違和感を覚えます。
他にも依頼したが、引き受けてもらえなかったという話もあったようなので、その断られたブランドメーカーの中に国内のブランドもあったかも知れませんが、やはり引っ掛かりを覚えます。
児童がそんな高級な服を着て学校生活を送る中で、外で活発に遊び制服に穴を開けボロボロにしてくる児童に一体、大人は何と言うのでしょう?
全身アルマーニの小学生を指導する教師もまた全身ブランド物に身を包むのでしょうか?
児童の保護者たちも全身ブランド物に身を包むのでしょうか?
もしそうではないなら非常に滑稽な光景になるのではないでしょうか。
ごく普通の格好をした親が全身アルマーニの小学生を送り迎えをし、学校行事に顔を出す。
ごく普通の格好をした教師が全身アルマーニの小学生を指導する。
想像すると失笑が溢れてきます。
また強制でないとのことですが、クラスの中で購入しない生徒がいた場合、いじめやからかいの対象にならないかも心配です。
そして、何より不快感を覚えたのが、登下校中の児童が通行人に服を掴まれたり、からかわれたりした事件が数件報告されたことです。
私のように、このニュースに不快感を覚えた人も多くいらっしゃってもおかしくはないとは思いますが、この件の決定事項に全く関係のない児童に対して何かをしたり、何かを言うのは大きな間違いです。
このような事態を招いた学校側も登下校中に教師が付き添うなどの負担を大きく強いられますし、事態が風化した後も決して安心して過ごせるとは思いません。
これから益々厳しくなる社会に大人たちは一体どんな子どもたちを育て、世に送り出していこうと考えているのでしょうか。
指で摘んだコインを離すとどうなるか。
地面に落ちる。
誰でも簡単に予知できる未来である。
こんな簡単な未来も想像できない大人が増えているように感じる。
今、本当に学びが必要なのは大人か子どもか。
冬季オリンピックの最中の頭の痛くなる報道であった。。。