補習、2日目

 



〇教室

 ゆうき以外の3人が時間通り補習をしに学校に集まる

 1日目と同様の席で座る。

 あおいは、基本黙ったまま。だけど、二人に視線を送っている。

 みらい「ゆうき来ないねー。」

 はるか「なんでかなー。一応、約束をしたじゃん。やりたいことをやるって。風邪ひいたりしてるのかな?」

 みらい「なんだっけ?ゆうきがやりたいことって?」

 はるかの眉間に少ししわが入る。

 少し間をおいて、はるか、口を開く。

 はるか「補習をばっくれたいっていってたじゃん。」

 みらい「逃げたんじゃない?自分ひとりで?」

 はるか「そうなのかな?」

 みらい「ゆうきって、ちょっと反骨精神がみえるっていうか、なんか自分ひとりでも勝手にそんなことやりそうじゃん?」

 はるか「あー。まじかよ。あいつ、腹立つなー。」

 みらい「多分、そうだって。ゆうきって名前だし。そういう勇気を持ってるんだよ。あういう子は自分でやっちゃうんだって。」

勝手な妄想を膨らます。

はるか、みらいの言葉を間に受ける。

 はるか「最悪じゃん。約束を踏みにじるのか。」

先生が入ってくる。みらい、はるかは、一瞬だけ見る。

ちょっとだけ声を落として話を続ける。

 みらい「そうだって、ほら、おでこ隠してるじゃん。本性も隠してるんだって。」

先生は、携帯をいじる。

     補習の開始時間、ちょっと過ぎてるくらいで先生が出席を取る。

  先生「はい、出席とるよ。(4人の名前を言う。)」

  先生「今日は、ゆうきは来てないのか。」

と、言うと同時くらいで、ゆうきが入口の方に現れる。

  ゆうきは、入口の方でみんなの様子を伺って会釈する。そして、教室に入ってくる。

  先生「お、ギリギリ遅刻だなー。まあ、別に遅刻したからって、お咎めがあるわけじゃないけど。」

先生、プリントを配る。

  先生「じゃあ、先生は、職員室に戻るので、各自やっといてね。」

先生は、携帯とペンを忘れていく。

 はるか「ゆうき、今日、来ないと思ったよ。」

 みらい「うん。ほんとに来ないと思ったよ。」

 ゆうき「バスが遅れちゃってさ。」

 みらい「はるかと変な話しちゃったよ。あいつ、逃げたんじゃね?みたいな話してたんだよ。」

 はるか「ごめん、なんか、約束破ったのかなと思った。」

 ゆうき「単純に寝坊だよ。」

 みらい「まあ、学校来たばっかだけど、外に行こうよ。」

 ゆうき「え、今日、補習をばっくれるの?」

 はるか「うん、そうだよ。」

 あおい「いつかできることは、すべて今日もできる。・・・ってどっかの哲学者が言っていたよ。」

 みらい「おお、そういうことだよ。」

     みらい、筆箱とかをカバンに入れる。

それをみて、あおい、はるかも片付ける。

ゆうきは座ったまま、ぼうっとしている。

支度の済んだ、みらいがゆうきに声をかける。

 みらい「ぼうっとしないで、行こうよ。」

ゆうき、うなずく。



〇廊下、階段

  戸締りをせずに教室を抜け出す。

廊下を、みらいが前の方を歩いて、ゆうきがちょっと後ろ、あおい、はるかが後ろで並んで歩く。



階段(2階あたり?)で、先生とばったり遭遇する。

先生は、4人を見た時は、目を細くして確認して最初、早足で5歩くらい進んだら、駆け足になる。



みらいたちは、先生に見られた瞬間、反応してダッシュ。

 みらい「先生きたーっ!」

先生は、校門から出て行ったくらいで、諦める。一言ぼやく。

  先生「まぢかよ。」



〇外、校門あたり、大通りの信号らへん

走る絵面を撮る。

あおいが最後尾、はるか、ケツから二人目、あおい、みらいの順。



美来工科の小さい看板まで、行って、手を膝につく。

あおいが、ちょっと遅れて到着する。

四人の息が荒れる。少し汗が滴る。

みんな、看板のところに腰をかける。息が整ってきたぐらいで、みらいが話をかける。

 みらい「あおいって、足遅いね。」

     あおい、うなずく。

 あおい「運動はあまり得意じゃない。」

 みらい「そうなんだー。汗かいたしさ、アイス食べに行こうよ。」

で、アイスを食べに行く。



〇商店?

アイスを食べている途中で、ゆうきが一言。

 ゆうき「なんか、アイスとか駄菓子ってさ、子供の時のほうが美味しく感じなかった?小学校一年ぐらいが、一番おいしかったと思う。」

 はるか「はは、なにそれ。」



〇道

アイスを食べ終わって、歩き始める。

みらいが、ゆうきの隣同士で、少し後ろをはるか、ゆうき。

みらい、ゆうきに話しかける。

 みらい「さっきさ、小さい頃の方がアイスとかがウマイって言ってたじゃん。小さい頃さ、セミの抜け殻とか、めっちゃ集めなかった?思ったんだけど、もう、何年もセミの抜け殻を見ていない気がする。」

 ゆうき「ああ、そうかも。言われてみれば、全然見てない気がする。」

 みらい「大人になるっていうのは、そういうことなんですかね。」

 ゆうき「はは、なにそれ。」

少し間があく。

 みらい「てか、学校出たのはいいけど、することないね。」

 ゆうき「うん。」

そうこうして、バス停につく。

みんなの顔を伺いながら声を出す。

 ゆうき「あのさ、ゲーセンとか行きたいんだけど、行かない?」

バスに乗り、ショッピングモールへ。



〇ゲーセン

いろんな、ゲームで遊んで楽しみましょう。キャラを忘れずに。



〇ショッピングモール、駐車場

ゲーセンを腹八分目ぐらいまで遊んで、駐車場あたりで少したむろする。

低めのトーンでみらい、話を始める。

 みらい「ゆうきさ、今日、まあ、やりたかったっていう、補習をばっくるってことをやったけど、どうだった?」

 ゆうき「めっちゃ楽しかったよ。こんな時間を過ごしたのは、久しぶりだったから。すご

い楽しかった。うん。ほんとにありがとう。」

 はるか「おお、じゃあ、学校を抜け出してよかったよ。」

 ゆうき「次は、・・・はるかの番だよね?」

みらいとあおい、はるかを見る。 

はるかは、照れくさそうに、少しにやけながら、

 はるか「いや・・・、自分は、後回しで。」

 みらい「うん、次は、はるかのやりたいことをやる番がいいじゃん。ほら、あおいがさっき言ってたのなんだっけ?」

 あおい「・・・いつかできることはすべて、今日もできる。」

 みらい「そう、それだよ。だから、みらいがやった方がいいんだって。人は、迷う時間が長くなるほど、やっぱやめとこうってなるって聞いたことあるし。はるかは、告白をしたほうがいいんだよ。」

 はるか「あ・・・はあ、じゃあ、やろっかな・・・。」

 ゆうき「おお、じゃあ、決定だね。」

 みらいが、一人だけ、拍手をおくる。



〇バス停

 みんなでバス停へむかう。

 ゆうき「じゃあ、私とあおいは、バスで帰るね。」

 みらい「明日、学校の中庭のベンチに集まろうよ。」

 ゆうき「ん、うん、わかった。」

 みらい「じゃあ、ばいばい。」

   あおいとゆうき、バスに乗る。みらいとはるか、バス停に残る。

 

     無言の間がある。

 みらい「あのさ、みらいの好きな人って誰?」

 はるか「はあ、ほんとにやるの?」

 みらい「仕方ないよ。腹くくれって。」

 はるか「一年の時にクラスが一緒で、あんまり喋ってはないんだけど。その人が中心で学園祭の準備とか進んだんだよ。その時、まだちょっとクラスに馴染めてなくて、でも、その人が誘ってくれて、学園祭とかそのあとの行事もクラスの輪に入れてもらえたっていうか。あんまり、壁を感じなかったっていうか。なんなんだろうね。あの感じ。」

 みらい「で、誰なの?」

     みらい、雑に名前を聞く。

     はるか、みらいと目を合わせる。

 はるか「六組のだいき。」

     みらい、ちょっと目を大きくする。

 みらい「へえ、まじ。だいちゃんなんだ。」

     みらい、ちょっと顔をしかめて、

 はるか「え、知り合いなの?」

 みらい「うん。家近いっていうのがあって、小一とか、小さい頃はよく遊んだよ。」

 はるか「そうなんだ。」

     みらい、楽しそうな顔で喋り始める。

     はるかは、目の光が失われていく感じで話を聞く。みらいに嫉妬する。

 みらい「だいきって、ちょっと、変わっててさ。中学の時に、学校にランドセルで登校してきて、で、かまきりを二匹、シャツに、つけてきたことがあったのね。あいつさ、それで生徒指導かかってさ。あの時は、まじで、面白かった。罰ゲームで、そんなことやったみたいなんだけど。高校でもう一回やってくれないかな。」

 はるか「へえ、そうなんだ。」

 みらい「で、それで、生徒指導の先生に怒られるじゃん? 罰ゲーム提案した人が、バーンってビンタはられて、だいきってメガネかけてるじゃん? そのビンタをみて、覚悟してメガネをとったみたいな。そしたら、ビンタされなくて、また、すっとメガネをかけなおしたみたいな。」

     はるか、ほとんど下をむいて話をきく。

 はるか「ごめん、今日もう、歩いて帰るね。」

 みらい「えっ、ちょっと待って。じゃあさ、告白どうする?」

     はるか、めんどくさそうに答える。

 はるか「んーうん。まあ、メールは失礼だし、直接伝えるのは無理。手紙が告白しやすいかも。」

     みらい、ちょっとにやけぎみで、

 みらい「まじで?手紙で告るって人、久しぶりにみた気がする。」

 はるか「だめかな?(真顔)」

     みらい、ちょっとにやけぎみ。

 みらい「全然いいじゃん?じゃあ、明日、だいきには学校に来るように伝えておきますので、想いを手紙にしたためて来てください。」

 はるか「どうも。」

     はるか、後ろをむく。

 みらい「じゃあ、明日、やってやろうね。ばいばい。」

     みらい、はるかに手を振る。

     はるか、顔を向けずに手を振る。

     二人は、分かれる。



二日目終了