日本では当たり前にある水。

 

しかし、世界では当たり前でない

国がたくさんあります。

 

 

本日は、橋本淳司さんの

「世界が水を奪い合う日・

日本が水を奪われる日」より

当たり前に使っている世界の水

の現状と課題について考えて

いきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

水のない国 

オーストラリアではここ数年間

ビーチに設置されたシャワーから

水は一滴も出ていないなんて

知っていましたか?

 

シドニーなどの都市だけでなく、

国全体が水不足に苦しんでいます。

 

 

夜中に大型給水車でタンクの水を

盗んだり、貯水コンテナごと

クレーンで奪っていくという事件

も多発しているそう…

 

日本人はシャワーを浴びたり、

食器を洗うのも水を流しながら

使います。

 

しかし、北米、ヨーロッパ、

オーストラリアではシンクに

溜めた水に洗剤を入れ、食器を

浸け置きして、布で拭き取るだけ

なのが当たり前なんですって!

 

ですから、日本人の短期留学生

のシャワーや食器の洗い方に

現地の人は大変不満を抱いて

いるようなんです。

 

 

下手すると、歯磨きしながら

ずーっと水を出しっぱなしに

している人もいますよね。

 

実はそんな風に日本人が当たり

前にしている行為が世界では

批判を浴びています。

 

 

また、中国の黄河では70年代

から断流が行われています。

 

90年代以降はその期間も長く

なり、今や砂漠のような状態に

なっているといわれています。

 

 

川が流れている平原地帯では

人口が密集し、生活用水や

農業用水が増えることにより

富栄養化します。

 

 

生物は酸素不足により死滅し、

ヘドロの量が増え川が干し

あがってしまうのです。

 

 


さらに、バングラデシュでは

 

川や湖沼の水を飲み水とするので

細菌に汚染されて、下痢やコレラ

が蔓延し、命を落とす人が続出

しました。

 

このため、「管井戸」という

手押しポンプを作り、国民の

95%が水を飲めるようになり

 

ましたが、この地下水はヒ素に

汚染されていることが分かって

います。

 

地域の人たちはそれが分かって

いても、その水を使い続けます。

 

それでないと、生活が出来ないし

 

それ以外、使える水がないのです。

 

 

インド、アルゼンチン、チリ、

パキスタン、ベトナム、ネパール、

モンゴル、台湾などでも同じこと

が起こっています。

 

そして日本も他人事ではありません。

 

茨城県でも地下水によるヒ素中毒

の事件が起きています。

 

ヒ素中毒は手の震え、めまい、

ふらつきといった神経症状が

起こります。

 

見た目は透明で、味もなく

汚染されているかどうかも

分からないので、中毒症状が

でるまで5~6年かかります。

 

 

それでも日本では最近、

水道の残留基準値の緩和

も行われました。

 

 

私達は見えない危険に沢山

さらされています。

 

 

しかし、問題はそれだけでは

ないのです。

 

 

 

水を巡る争い 

 

 

日本のように川の上流から下流

まで自国で完結している国に

とっては、水が奪われるなんて

想像もできないことですが

 

 

歴史上、水の資源を巡る争いは

絶えず続いてきました。

 

 

 

例えば、中国はメコン川の

上流にダムの建設を次々に

行います。

 

 

それにより水力発電所はフル

パワーで稼働することになり、

 

 

 

下流のタイやラオスのように

流断されてしまうと、肥沃な

土地は減り、川岸は侵食され

漁獲量も激減します。

 

 

 

穀物地帯は工場に水が取られ

生産量がガタ落ちします。

また海水が逆流して淡水養殖場

の魚が大量に死んでしまったり

もしました。

 

 

中国はダム建設などの情報開示を

他国にしないばかりか、源流の

権利を握り、主要な河川

 

(メコン川だけでなく、インダス川、

サルウィン川、プラマプトラ川、

カーナリ川、サトレジ川など)

 

の上流に次々にダムを建設しました。

 

 

それにより下流域の人々の生活を

苦しめています。特にインドでは

中国との軍事対立や国境の問題で

度々争ってきており、ダム建設を

続ける中国に警戒を強めていると

いいます。

 

 

 

インドでは借金をして地下水を

掘ったものの水が出ずに自殺する

農民も後を絶たないといいます。

 

 

 

 

 

また、イスラエルはパレスチナ

の水源を支配しています。

(パレスチナの住民一人当たり

使える水の量は一日に50~70L、

イスラエルでは350L)

 

 

 

トルコは、下流のシリアやイラク

などの周辺国を水資源と引き換え

に政治的圧力をかけています。

 

 

それ以外にも世界には水をめぐり

様々な紛争が起こっています。

 

日本ように水資源に恵まれた国に

生まれて本当に幸せだと思います。

 

 

ジャージャー流しっぱなしでも

怒られない。毎日、新しい湯船に

使ってリラックス出来る…

 

 

しかし、日本もそんなことは

言っていられなくなる…?

 

 

 

 

 

ペットボトル戦争 

 

 

水の奪い合いはダム開発のように
地元の人が必要とする水に対して
だけ起こっている訳ではありません。

世界で巻き起こるペットボトルの
水ブームも水源の奪い合いの
原因となっています。


1983年「六甲のおいしい水」が
販売されてから、水道水の安全性や
雑味の問題からボトルの水が一般的
になりました。





発展途上国では、使える水が病原菌
に汚染されているため、貧乏な家庭
でもボトル水を買って飲むことが
普通になっています。



しかし、発展途上国の人々にとって

は大変高価で負担のかかる買い物

になります。





水が清涼飲料水として占める割合は
10%。お茶やスポーツドリンクを
抜き、立派な産業が出来上がって
います。




しかし、このボトル水産業は、
水を地下水から汲み上げるだけ、
汲み上げて枯渇したら、ほかの
場所へ移動して製造するという
ことを繰り返しています。





過剰な汲み上げにより、慢性的な
水不足を起こし、農業や漁業に
悪影響を与えたり、地盤沈下や
干ばつを起こし環境を破壊する
ことにつながっています。





こうやって、水源がなくなって
いけば当然、水の価格も高騰し
ていきます。


ただの水道水を浄化し(ミネラル
を添加し)たものを販売している
業者が実は25%もあったという
調査結果があるくらい、水はいい
商売道具となっています。

    

引用:アメリカの天然資源保護協会が市販されているボトル水(103ブランド、1000種類)を調査したところ、そのうちの25%が水道水、あるいは水道水にミネラルを添加した水でした。大手ペプシ社は人気ボトル水「アクアフィナ」がただの水道水を浄水しただけで売っていたと認めています。7000倍の価格で販売していたことになります。

 

欧米を中心にボトル水を排除する動きは少しずつ活発化しています。日本でも名古屋市が会議等でのボトル水の使用をやめ、水道水に切り替えています。

 


 

 

 

日本では逆に水道事業の少子高齢化

の影響、水道施設や水道管の劣化に

よる水道事業の費用の捻出問題から

水道料金を上げざるを得なくなって

います。

 

水質が悪くなっているのにも関わらず

値上げをするのは反感を得るので、

東京や大阪などでは「美味しい水道水」

とわざわざボトルに入れて販売し

PR活動を展開しています。

 

 

そんなことにお金をかけるなら、水道

事業の改善に力を入れろよという声も

多いとか…(当然ですね💦)

 

 

 

また、中国での飲用水消費量は

世界全体の4分の1にもなります。

 

中国では水の汚染が深刻化して

いることと、富裕層が国外の製品

を好んで購入していることから

大きな産業になっています。

 

 

今後の飲料水を確保するため、

今、中国は世界の水源の買収に

とりかかっています。

 

 

地元の人たちは、水源を守るため

に制限して水を使用しているのに

中国業者はお構いなしに、各地で

問題を引き起こし続けています。

 

 

 

 

日本の水源も中国に買われている

という話はよく耳にしています。

 

 

これらの問題が起こる前に早く対策

を練らないと日本も大変なことに

なってしまうのでは...?

 

 

 

 

私たちは水を守れるか? 

 

地球の地下の帯水槽には地球の

表面にある水の100倍の水が

眠っているといわれています。

 

 

雨水が地中にゆっくり染み込んで

蓄えられるのだが、これが溜まる

のを上回る速さで汲み上げたら

当然、地下水は空っぽになり、

枯渇し、塩害をおこし、地盤沈下

や砂漠化を引き起こしています。

 

 

 

穀物の生産には大量の水を

使用します。

 

穀物はただ主食として食べる分

だけでなく、家畜の飼料として

も多く生産されています。

 

鶏卵1キロを生産するのに

トウモロコシは3キロ、

 

鶏肉1キロで4キロ

豚肉1キロで7キロ

牛肉1キロで11キロ

も必要とします。

 

 

結果、牛肉1キロを作るのには

飼料や飼育などで10万リットル

程の水を使うのだそうです。

 

 

 

1965年から1996年の約30年間

で世界の人口は約2倍の67億人に

なりました。

 

そして穀類の生産量も2倍になって

います。FAO(国連食糧農業機関)

は2008年世界の穀物生産量は21億

6400万トンで過去最高と発表し

ました。

 

 

その一方で飢餓人口はこの一年で

5000万人増加し、現在約8億6200万

人が食料不足や水不足に直面してい

ます。

 

 

 

 

またトウモロコシからエタノールを

作り自動車燃料として使われる

バイオ燃料も世界でチョイブームに

なっています。

 

 

アメリカではトウモロコシ生産量の

25%がエタノールの原料になっている

ともいわれていますが、まだ余り

効率が良いものではないようです。

 

生産するのも精製するにも、移動する

にも多くのエネルギーを使用するので

コストもかなりかかっています。

 

 

またコットンの生産なども川から大量の

水を綿花畑に引きいれるので、もとと

なる塩湖は、消滅するほどの被害を受け

たこともありました。

 

 

 

 

穀物の大生産地であるアメリカ、

中国、インドでは、ここまで

お話した通り、地下水の枯渇や

灌漑用水の不足を招き、大きな

被害を受けています。

 

大規模農業の所有者は、耕作を

進め農地を枯渇させます。そして

農地が瘦せてくると今度は肥沃な

土地へと移動して、その土地の

農民たちを追い出していきます。

 

 

そして次々に森林伐採をし斜面を

開墾し耕地を増やそうとするのです

が、これによって森林の保水力が

弱まり、土壌流出、洪水を引き

起こし災害を引き起こしています。

 

 

毎年、日本国土の半分に相当する

ほどの面積の森林が消えています。

 

 

 

環境破壊が起きていることは事実です。

しかし、温暖化が理由でしょうか?

 

 

私は生態系を壊してまで進める無理な

産業構造自体に問題があると思います。

 

 

畜産業が今、大変な危機になっていて、

私がこのようにお話しすることが

それに加担してしまうことは十分に

分かっています。

 

苦しめたいとは思っていません。

 

でも、今、変わらなければ次世代に

水も食料も残せないのではないかな...

 

 

だから、考えよう。生態系を壊さない

四方よしの循環システム。

 

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