夫が逝って今日で29日目。
市役所からは世帯主変更後、色々な書類が次々送られてきて、世帯主が自分の名前に
なっているのを見ると、不思議な気持ちになる。
役所関係のみならず、ガス・電気・水道等の契約者も変更し、生活の中から夫の名前が
消えていくのが妙に寂しく悲しく感じる。
亡くなると言う事はこうして少しづつ、少しづつ、存在を消していくって事なんだ。と、
ぼんやりと思い自分を納得させるしいかないと、思っていた日、
懐かしいOさんから電話が入った。
内容は、夫の部下だったMさんがどこかで夫の訃報を聞き、どうしてもお線香をあげたいので
自宅に伺っても良いか。と言う内容。
夫の訃報は新聞にも載せないし、友人にも仕事関係の人にも知らせなかったが、ただ一人、
夫のダイビング仲間であり、仕事では夫が人事関係の仕事をしていたので組合委員長を
していたHさんとは、仕事でもお付き合いが有ったので他の用も有り、知らせたので、
Hさんの計らいで10名程の会社関係者がお通夜・葬儀に参列して下さったが、
今回、電話でお線香をあげたいからと仰って下さった方は、夫としては畑違いの部署に
7年間配属されたことが有り、その時の部下だった人達だ。
しかもあれから15年も経っているのに電話が有った翌日4人で来て下さった。
確かに当時、夫は彼らを可愛がっていたらしく、家でも彼らの話をしたりもしていたし、
マンションに引っ越す際もお手伝いに来て下さったり、私も含めて二・三度食事にも行った。
あれから15年も経っているのに訃報を聞き、お線香をあげに来て下さるとは・・・
本当にありがたく、夫が喜んでいるだろうと思うと、私も嬉しかった。
15年振りに会った彼らは15年前同様、否、ちょっと立派になって、良き父親の様だった。
お互いに変わらないね。とは言ってくださったが、私は彼等とは違いかなり老けた筈。
15年前のあの頃に思いを馳せ、懐かしい話もした。
心残りは夫が元気なうちに一度、会わせたかった事かな。
でも、確実に、彼らの心の中に夫の存在が良い印象として残っているのが嬉しかった。
そして昨日、甥夫婦と共に終の棲家となる霊園に行ってきた。
管理事務所に行き、納骨の日取りを決め、埋葬法要の住職への手配をお願いし、
墓地永代使用権利者を夫から私に移すつもりでいたが、
私亡き後、甥に墓地管理をお願いしてあるので、どうせなら夫から甥に引き継いだ方が
良いだろうと、聞いてみたら基本、管理費を払い込んでくれれば誰でも良いとの事なので、
直接夫から甥に墓地永代使用権利者を移すことにし、
手続きは、埋葬法要の日に行う事にした。
人数は何人くらいですかと聞かれ、我が市から飲食店2店舗からコロナクラスターが発生し、
感染者がかなり出ている為、なるべく少人数にしようと思い、夫と私の兄弟姉妹と、
墓地管理をお願いする甥夫婦で・・・合計10人。
埋葬法要後の会食が問題かもしれないが、8月のお盆後すぐにしたかったが、住職が8月
いっぱいは埋まっていて空いていないと言われ、9月の第一土曜日にしたので、
その頃には、多分、我が市のクラスターは落ち付いているだろうと予想し、決めた。
悲しくて涙を流したり、空しくて、何も手に付かずボーっと過ごしたりしても、
時間は止まることなく過ぎてゆき、ゆっくりだが諸々の手続きもひとつひとつ済ませ、
夫が逝った現実を意識せざるを得ない状況です。
まだまだ雑多な仕事もあるので悲しんで、ぼんやりもしていられません。