身体的障害があるため、取得を諦めざるをえなかった二輪車免許。

生まれて初めて、自分の障害が不自由だと気づいた瞬間だった。

それから10年以上の月日が流れ、ガソリン価格の異常な値上がりが起こった。

昔と比べれば、公共交通機関は便利になったし、超低燃費の自動車とか、電動アシスト自転車、ロードバイク...自分が安く動く手段は一杯ある。

そもそも自分が街中のショップに行かなくてもamazonでポチれば自宅でもショッピングできるし、観光地に行かなくてもyoutube、ニコニコ動画とかでヴァーチャル観光を楽しむ事ができる。

自分がその目的地に行かなくても何でも出来る、超がつくほど便利な時代になったもんだ。

ただ、なんだろ。

理由は分からないけど、何かが虚しい、何かがおかしい。

...目的地に行く事、もっと言うと動く事って、そこまで退屈で面倒くさかった事だったかな?

もしそうだったら都心の皇居ランナーは存在しないし、箱根駅伝、マラソンなんて競技は成立しないし、100m走者の世界最速の男、ジャマイカ出身のウサイン・ボルトは、今ごろレゲエDJとして稼いでるはずだ。

...実際は、彼らが動く事、それだけでTVの前の視聴者を感動させているよなぁ。

しかも、その感動は一部の一流アスリートだけが得れる、超高級な嗜好品の様なものでは無く、目的地に行く事、その感動は庶民でも十分に得れていたはずだ。

目的地に行く道中の感動を取り戻そう。

そして、あの時止まった時間、失った感動を取り戻そう。

決意してから、地元の公安委員会に、再度二輪免許の身体審査を申し込むのには、さほど時間が掛からなかった。

...人間って本気になると、義足っていう道具に血と神経が通って、肉体と同化するものなんだなと感じた。

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あれから一年。

当時リッターあたり165円くらいの相場だったガソリン価格は、現在102円。

...あっこれ自動車で良くね(笑)

あの時の決意をした自分に、今のガソリン価格を言ってやりたいよ(笑)

クソッ!!下手な深夜アニメみたいな感動ストーリーを勝手に妄想して、実行した結果がこれだ。

...どうするんだ、これ。

しかも、アラサーの癖に妙に感動しはじめてる。

と言う事で、とりあえずブログを開設しました。

ヨロシクねっ!!