「仕事しなくていいのって楽だよね」
そう思ってる元気な人ってたくさんいると思う。
自分も、仕事が忙しくて疲れてたとき
「とにかく休みたい。病気になれば休めるかな」と思ったりした。

確かに病気になったら、仕事を休むことはできた。
でもそれで「楽」になれたわけじゃなかった。
むしろその逆だった。
休んでいるからって遊べるわけじゃない。
そもそも、働けないくらい具合悪いんだから遊べるがわけない。
病院と家の往復しかできない日々。入院もした。
何もできず、つらい思いをして寝ていることしかできなかった。
今までの認識が間違っていた。働けるようになりたいと思っていた。

なんとか仕事ができるくらいに回復して、また働き始めた。
でも、すごく元気になったわけじゃない。
無理をすればすぐ寝込む。
そんな状態で周りの人と同じように仕事ができるわけない。
職場が忙しくても、自分だけ先に帰る。そうしないと次の日出勤できなくなるかもしれない。
いつクビにされるのかヒヤヒヤものだし、みんなと同じに働けない自分が情けなかったり、悔しかったり。周りの視線だって気になる。
結局、仕事に戻れても楽になれたわけじゃなかった。


でも、周りの元気な人を見ていると
元気だからって楽なわけじゃないように思う。
以前の私のように疲れきるまで仕事させられて休みたくても休めないとか
好きじゃない仕事、やりたくない仕事を無理してやっているとか
金銭的に厳しいとか、人間関係に悩んでいるとか

すごく好きな仕事をしていて、仕事は順風満帆。生活に余裕があって人間関係も問題ない。
趣味もあるし毎日充実して楽しくてしょうがない
そんな人はほんのひと握り、いやひとつまみなんじゃないだろうか。


結局、どんな状況になっても「楽になれる」わけじゃないのかも知れない。
悩みの内容が違うだけ。
隣の芝は青い、ってことなのかも。

今までの私は、
寝込んでいるときは普通に生活できる人をうらやみ
普通に生活ができるようになったら働いている人をうらやみ
病気しつつも働けるようになったら、病気を持たずに働いている人をうらやんできた。

ここで、仮に病気が治って働けるようになったとしても
病気をする前の「休みたい」と思っていた自分にもどるだけなんじゃないのか。

そう考えたら、病気を完治させて働くことが自分にとって幸せなのかわからなくなった。
たぶん幸せではないと思う。
じゃあ何が幸せなのか。
それもわからない。

今はまず、人をうらやむことをやめようと思う。
もしも働けなくなっても起きられなくなっても、生きている自分を労おう

実行するのは難しいかもしれないけれど。