イラン取引で・・・
米ニューヨーク州の銀行当局は6日、英スタンダード・チャータード
(スタンチャート)<STAN.L>の銀行部門がイランと画策して2500億ドル
規模の取引を隠し、米国のマネーロンダリング(資金洗浄)防止法に
違反したとして、同州での営業免許を失う可能性があると明らかにした。
ニューヨーク州の金融サービス監督責任者ベンジャミン・ロースキー氏は、
スタンダード・チャータード・バンクがイラン政府との画策で、2001年から
10年間にわたり約6万件の取引を隠したと指摘。
これにより同行は数億ドル規模の手数料収入を得たとした。
また、スタンダード・チャータード・バンクのコンサルタントを務める
デロイト・アンド・トウシュも規制当局に詳細を明かさず同行を
「支援したもよう」と指摘した。
ロースキー氏は、スタンチャートの行為について、
「テロリスト、武器業者、麻薬業者、不正国家に対して米金融システムを
ぜい弱化させたとともに、あらゆる犯罪行為を追跡する上での重大情報を
警察捜査当局から奪った」と指摘。
「すなわちスタンチャートは悪徳機関として営業を行った」と述べた。
同氏によると、スタンチャートはニューヨーク支店を通して、イラン中央銀行、
および国営のサデラト銀行やメリ銀行など、米政府の制裁の対象となっている
銀行に資金を送金した疑いが持たれている。
スタンチャートは取引の実態を隠すために、「名称不明」などの文言を入れる
などしていたとされる。
スタンチャートの広報担当者は、「同社として過去の米国の制裁順守を
見直しているほか、同見直しを米警察機関や規制当局と協議している。
今回の見直しや協議の終了時期やその結果については予測できない」と語った。
他の企業も調査対象になっているかは不明。
ロースキー氏は、リビア、ミャンマー、スーダンなど、他の制裁対象国との
取引における同様の手口についても調査しているとした。
デロイト、ロースキー氏、ニューヨーク連銀は、現時点でコメントの要請に
応じていない。
在ワシントン・イラン大使館からのコメントは得られていない。
米司法省の報道官は、同省として調査中かどうかについてコメントを控えた。
