記憶が薄れてしまわないように。

ジャンを超えて次の関門がロバの耳と馬の背。
2日目の予定は奥穂高まで。



ジャンダルムを背にして ロバの耳に向かう。
回りの景色はグレー
写真を見返して 何だか地獄のような景色だと思ってしまった。
まだ体は元気。
次は ロバの耳と馬の背の通過が待っている。
危険度は増す。

どんなものが私の目に映るのか 感じるのか それを想像するだけでアドレナリンが沸々と。
慎重に一歩一歩を踏みしめた。
あぁ なんて楽しい。

ここはロバの耳を下っているところだったと思う。
集中して降りたが 大変だったのか分からないまま降りた。
いつも核心部はよく覚えていない。
いつの間にか終わっているといった事がままある。


馬の背
ナイフリッジとも言われるが 名の通り両端切り立った崖。
岩に手を掛け進む時は 流石に一瞬どころか 数秒足が止まった。
けれどもエスケープルートなんてないし
進むしかない。

その一歩は 今までで一番勇気を出した瞬間だったかも知れない。
そして とても長くて険しい最初の一歩だった。
天に向かうその岩のさきに 自分の指をかけて
一歩ずつ進み 登り
馬の背の上に立つ。
ふぅ

次は奥穂高だ。
まだまだ今日の行程は始まったばかり まだ気を抜けない所ばかりで 道のりはまだ途中。
負けるもんか。


奥穂高 頂上



頂上から振り返り 来た道のりの長さに驚いていた。


私 この時 奥穂高からのこの景色を見て 何を思っていたんだろう。
 余裕もなく 目に焼き付けておかなければいけない風景も 夢うつつのような気持ちで眺めていた。
とてももったいないことをしてしまったと後悔している。
もっと 楽しむべきだった。




さて 今宵の宿は 穂高岳山荘。

奥穂高岳から30~40分程 険しい下りを経てたどり着いた。






今日の1日は長かったけれども よく頑張った。
あしたは 前穂高に行って重太郎新道からの下山。
明日も長い1日になりそう。