山田優というモデルさんが、苦手でした。
トラウマに引っ掛かるのかああいう意地悪っぽい顔ってどうも苦手で、雑誌の表紙なんかで笑顔を振り撒く彼女の姿はもはや敵(笑)!
あんなののどこがいいのかと思っていたら。

見つけてしまいました。いいところ。

それは彼女にとってはアウェイ試合であろう男性誌だったのですが。

不満気な上目遣いがめちゃめちゃ色っぽい。

あれこそまさに「悪い女と知っていて騙されずにはいられない」ってやつですかね。
思わず見直してしまいました。

考えたらモデルさんでしょ。
美人でスタイル良いなんて自覚たっぷりに決まってるじゃないですか。
自信持ってて当たり前。
それなのにそれを隠して「性格良い」「同性受けする」笑顔を作るよりは、

どうよ私いい女でしょ。
かかってきなさいよ。

って堂々としている方が絶対にかっこいいと思う。


笑顔というのはある意味防御壁なんだという説があります。
普通人間以外の動物にとって歯を見せることは、相手を威嚇する行為です。
威嚇する必要があるのは、自分に害を為す恐れがあるから、言い換えれば相手の力を恐れているから。
逆に言えば、歯を見せた時点で自分の劣勢を既に自覚していることになります。
人間という動物はこの仕組みを逆手に取っていることになりますね。
自分の相手に対する畏怖を見せることで相手より下だとアピールし、敵として見なされなくなるように仕向ける、というテクニックを誰もが持っているのですから。

テレビの影響なのか「笑い」が強要されるこの時代、強い人が強さをありのままに発揮するのはどうやら難しいようです。
非難を浴びるリスクが高くて。
これもいわゆる悪平等の一環なんですかね。

もちろん笑顔の素敵な女性は魅力的です。
自分の弱さを自然に晒せる人はかっこいいと私も思います。
でも、全ての女性に於いて笑顔が一番魅力的かどうかはわかりません。
それが人の面白さなのではないでしょうか。

不機嫌な顔がとびきりセクシーな人も、泣き顔が可愛過ぎて何でも許されてしまう人もいます。
弱さを晒して笑うより、挑みかかるような目の強さが印象的な人もいる。
だから人間は面白いんだと思うのです。

笑いや笑顔という一見プラスに見えることがいつもプラスとは限りません。
不満顔などのマイナスに見えることも必ずしもマイナスではないかもしれない。

事実とその善悪は全くの別物です。
それはごちゃまぜにされてしまうことが多いけれど、そこを分けて見ることから、虚心で物を見る、ありのままに物事を受け取る、ということが始まるのではないかと思います。
そういう見方を私は大切にしていきたいと思っています。
難しいけどね。


でもとりあえず、好きじゃなかった人を好きになれたのは結構嬉しいことです。
嫌いという感情が必ずしも悪い訳ではないけれど、あんまり多く持つと知らずに疲れている時もあるし。

あ、ちなみにそんなわけで、山田優さんの他、菊川怜さんも好きになりました。
あの人も不機嫌顔の方が似合う気がします。
不機嫌顔というよりは高慢ちき顔かな。
誉めているように見えないでしょ(笑)。
でも、誉めているんです。一応。

好き、ですから。