年始を迎え、また日常が戻っていた。

朝9時~夕方17時までの生活。特に残業もなく、いやなこともない。たまにのストレスはあるけれど、先輩たちはみんな優しい。

私がいた部署ははちょっと特殊で新卒が入らない。新卒は現場へ、という会社の方針。

もちろん例外はあるけれど、だいたいそんな感じ。だから転職して入社した私が最年少。

そのあとおなじく転職してきた子が入って27歳・29歳(namo)のほかはみんなお母さんのように受け入れてくれた。

 

同世代同士のもめごとみたいなのもいっさいないし、めんどくさい飲み会も最小限。笑

私の子どもな態度も私が在籍していた課のリーダーママさんがいつも受け止めてくれていた。いろんなリーダーママさんやリーダーさんに出会ったけれど、どの方も本当におとなだった。たくさんお世話になった。

 

異動発表のシーズンになると、なんとなくざわついている。私には同期がいなかったし、知り合いもそんなにいなかったので、あんまり興味がなかった。というか、そんな余裕自分にはなかった。だって、もしここで異動になってしまったら(この時点でオーストラリアに行きたいことが表れている。)新しい部署の人たちに迷惑をかける。

せっかく時間を作ってOJTした人がわすか8か月でいなくなられたら、大迷惑。それを避けたかった私は、AWのTさんに再び連絡をし、入金期限が迫っていた期限を異動発表後のぎりぎり3月末まで待ってもらうことにしていただいた。

 

今振り返ってみても、

・異動希望を出す

・迷惑をかけたくない

・結果を待ちたい

自分の行動が矛盾していてならない。たしか異動希望を出したと思うのだけど…おととしのことなので記憶が曖昧。

 

異動発表日、私の課は二番目に発表されるのでわりとすぐに答えが出た。

 

「なし」

 

私の内線はならなかった。今年で4回目。

 

そうそう、私の会社には社内留学システムがある。期首入社3年目以上から立候補制で希望を出す。私は期中入社だったので新卒の子たちが該当するときには、該当しなかった。

 

だけど、どうしても参加したかった私は課のマネージャーに相談しようと時間をとってもらうつもりだった。マネージャーは私の話を聞くまでもなくものの30秒で、「要件に満たしていないから無理ね。だいたいなにだしたいの?やりたいことも明確じゃないのに行ってどうするの?」と。

触れていなかったけれど、私の部署は管理職含めて全部女性。

そこが、そこだけが本当に苦痛だった。

最初は女性管理職がいるなんて、さすがちゃんとしている会社だ、と思った。だって新卒で入社した会社には女性管理職はたしかひとりだったから。その方はとても素敵な女性だった。

ホテルは体育会系だから、先輩自ら話しかけるという感じはあまりない。(もちろん人による。)だから、お仕事で示して認められて初めて仲が良くなれるといった感じかな。でもその方は誰にでも平等で新卒の私たちにもいつも優しく声をかけてくれた。

 

話がそれてしまったけれど、そう。それが今の私の上司。感情的で、部下によって態度を変える。責任はとりたくない。なんのためにいるのだろうか。

 

私の話を聞くまでもなく終わった私の社内留学。それでよかったのかもしれない。

もうこの会社というより、この部署に期待することはなにもない。

そうはっきり思えた。

 

そんなことを思い出していると私のお友だちふたりの内線が鳴った。ふたりはおとなりの課。

あぁ、そうかぁ。ふたりは私が行きたかった本社の部署へ行く。

いろんな意味のある異動だったとあとからちがう上司に聞いたけれど、私の中の黒い部分が顔を出す。

悔しい・かなしい・腹が立つ

どんな事情があっても結果は結果。会社の事情なんて私には関係なかった。ただ異動の事実だけが純粋に素直にうらやましかった。ただそれだけ。

 

そして私はAWのTさんに異動の報告をして、再び自分のしたいことはなんなのか。

なんのためにオーストラリアに行くのか、「ぴっ」っとした。

 

Tさんはまた私を救ってくれた。

 

「これで無事にオーストラリアに行けますね。」

 

そうその通りだった。

私に落ち込んでいるひまはなかった。