It's a Wonderful World

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イラストとか小説のブログ。

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はい、VP小説いきまーす。
しばらくHPからの使い回しが増えますがあしからず。。


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赤とは、どのような色でしょうか。

ー彼女の問いに、俺はなんと答えたら良かったのだろうか。

赤とは…
この鎧の色か。
それとも俺が何人も殺戮してきた人々の無念の血の色か。

わからない。

俺は…



「蘇芳」
蘇芳が振り返ると、そこには洵が立っていた。彼は周りを見回し、倒れている不死者達に目を止めて微かに笑う。
「さすがだな」
「…今回は、皆の成果だ。俺だけの力ではない」
目をそらす蘇芳をしばらく見つめ、洵はおもむろに口を開いた。
「…詩帆が」
その一言に、蘇芳の肩が微かに動く。

「お前を、探していたぞ」
「………あぁ」
立ち上がり、洵とは反対の方向に歩き出す。


一人、先程まで戦場だった場所を見つめている少女。長い髪が静かに風に揺られ、その目は静かに一点を見つめて動かない。

カシャン。
微かに鎧の音がした。

ーあぁ、この音は。

「詩帆」
聞き慣れた低い声が、詩帆を呼んだ。
「蘇芳様…」
詩帆が微笑み、その柔らかい笑顔に思わず蘇芳も微かに笑った。
「お疲れ様です」
「あぁ。それより」
先程詩帆が見つめていた辺りを見やりながら、蘇芳は彼女に問い掛ける。

「詩帆…大丈夫か?」
エインフェリアとして戦わないわけにはいかない。しかし彼女が戦を得意としていないことは知っている。…特に、歌う事をやめてからは。

「…えぇ」
再び戦場に目を向けた詩帆の瞳には、何が映っているのだろうか。

彼女は盲目だ。しかしだからこそ、その目は時として誰も見る事が出来ない物を感じとる。
それ故、彼女が誰とも分かち合えない苦しみを背負っている事も蘇芳は知っていた。

知っていたからこそ、何も出来ない自分が歯痒かった。

「……詩帆」
蘇芳は静かに、彼女の肩に手を置いた。
「帰ろう」
「…はい」
詩帆の瞳に、温かい光が灯った。