それは、まだ僕が剣道少年だった時の師。
彼は、本当に強く太く生きていた人でした。
子供である僕等を一人の剣士としてあつかい、指導のそれは本当に厳しくもあたたかいものでした。
第二次大戦後、シベリア抑留を経験している師匠はとても頑固で自分の道を曲げず、厄介者扱いをされることもまま有りました。
最初に師匠と出会った剣友会では、指導理念が合わず喧嘩別れのカタチになり、その剣友会を去った師匠…。
それをキッカケにその師匠について脱退した7人で、新たに「緑剣友会」という小さな剣友会が出来ました。
市営の施設を借りるにあたり、身分証が必要になった師匠は、全て毛筆で手書きのモノを持っていきました。
もちろん、突っ返されましたが持ち前の頑固さでそれを認めさせました。
師匠が焼き魚を食べ終わった後には、骨を含めなに一つ残ってない平皿がありました。
どんなに辛い時にも、その姿は威風堂々としていました。
癌になり、もう亡くなる二週間前となったその日さえ、苦しい顔ひとつせず僕等に厳しい稽古をつけてくれました。
「話を聞く時には人の眼を見て聞けよ。」
「上段に振りかぶった時に、竹刀を寝かせる奴があるか‼︎馬鹿者‼︎‼︎」
「試合に負けても、勝負では負けるな!勝ちを拾うぐらいなら、自分の剣道を貫いて負けなさい。」
沢山教わった言葉があるのですが、今でも自分の信念にしてる言葉があります。
気は逸く
心は静か
身は軽く
眼は明らかに
技は激しく
…栗原先生。
まだまだ頑張っていきますよ‼︎‼︎
追い越すのは難しいことかもしれませんが、いつか僕も強く太くなりたいと思うんです。
諦めませんよ‼︎
…っあ~、、、
果てしねぇなぁ…