通貨オプションの2回目は、基本的な用語を頭に入れましょう。例は第1回のドル売りを使います。

オプション料を支払って通貨オプションを購入することによって、ドルが110円以下の場合はオプションを「行使」して110円の売り予約として実行することができます。反対にドル/円が110円を上回っていれば、オプションを「放棄」して新たに市場実勢で売り予約を締結します。

この「行使」と「放棄」はオプション取引で用いられる用語だが、行使するの場合は契約時に定めた日時までにオプションの買い手から売り手に通知しなければなりません。通知がなければ自動的に放棄扱いになってしまいます。

購入したオプションを放棄して市場で115円でドルが売れた場合、この売り予約の実質的な価値は、オプション料1円相当を差し引いた114円になります。この1円分を負担することにより、どんなにドルが下落しても110円のドル売り予約が保証されるのが通貨オプションのメリットだ。コストをオプション料に限定する一方で、収益機会を追求できるということだ。

では、このドル売り予約のオプション(これをドルの「プットオプション」といいます。ドルを「売る権利」だ)を売る側の立場はどうでしょう?買い手と反対の立場だから、損失が無限にふくらむ可能性があります。一方損失がオプション料の範囲内であれば利益が出ます。

オプション料は、為替の実勢レート、行使レート(上の例では市場実勢の水準でしたが、自由に決めることができます)、行使までの期間、金利水準、そして為替の予想変動率で決ります。オプションの価値は行使までの間、これらの要因によって変動します。従ってオプションの売り手は確率モデルを利用して損失を防ぎ、さらに収益をあげるために努力します。

なお、今回の例と反対にドル買い予約をする権利を、ドルの「コールオプション」と呼びます。また、為替は二つの通貨が関わるため、ドル/円での「ドルプット」は(ドルを売って)円を買う権利だから「円コール」でもあります。反対にドル/円の「ドルコール」は同時に「円コール」だ。少しややこしいだが、すぐ慣れますのでご心配なく。
通貨オプションについて何回かに分けてやさしくお話しします。

ある企業が1億円を3ヶ月間ドル預金で運用するとします。今なら108円でドルを買うと約93万ドル。ただし預金の満期にドルが100円になっていたら為替差損が出ます。

この差損が大きければ、ドルと円の金利差など、簡単に吹き飛んでしまいます。このリスクを避けるために、ふつうまず考えるのがドルの売り予約、いわゆる「売りヘッジ」です。預金をした翌日に何かの理由でドル/円が110円になったら、そこで預金の満期に合わせて元利合計分のドル売り予約をすれば、2円の為替差益が確定します。

これで十分利益が出ますが、もしその後もドルが上昇を続け、3ヵ月後にはさらに10円上がって120円になっていた場合、
「どうしてあんな円高の時に売ってしまったんだ...」
ということになるかもしれません。

そこで,「円高で損をしたくない。しかし円安になった時の利益を最大限手にする方法はないか」という、虫のいいニーズに応えるための商品が考え出されました。それがオプション取引です。最初は株式の取引で開発されたものです。

つまりオプション取引とは、上の例で言えば
 1ドル=110円でドルの売り予約をします。
 実勢レートがそれより安ければ予約を実行。
 実勢レートが予約より高くなったら予約を放棄することができる
というもので、日本語では「選択権付き為替予約」と呼んでいます。

もちろんこれにはコストがかかります。なぜならこの取引はドルを110円で「売ることができる権利」であるため、この権利の対価をオプション料という形で支払わなければなりません。例えばオプション料が1ドルあたり1円というように、為替レートに換算した形で約定した上で、為替の決済金額とは別に支払います。
<主婦だからこそできるFX>


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