大事な人が居なくなる度に

あぁもっと会っておけばよかったとか
もっと話しておけばよかったとか

そんなことを思うんだけれど

そんな大切なことをすぐに忘れてわたしは


気付いたときにはもう遅いってば



久しぶりのICUは
存分に記憶を甦らせて

元気でチャキチャキなイメージしかないの


でもなんでだか

管と機械にいっぱい囲まれて
薄目を開けて苦しそうに息をする

わたしの気は一瞬で動転して
拒否反応
当たり前だ


握り返された小さくて綺麗な手は
思ったよりも力強くて

ちょっとだけ強気になった

もう帰んなさいと手を振って
心配かけてごめんねと手を合わせて
涙を拭いた


ごめんね
あたしが泣いたからかな


声は聞けなかったけど
あたしの姿は認識してくれたかな



まだまだね

いろんな話をしようね

多分あたししか知らない話をしてくれた

だから約束をした


絶対に叶えたいの




約束守るから




早く帰ってきてね
君の隣で
目を覚ました朝は

最高に幸せだ


寝ぼけ眼の君が
あたしにキスをして
「おはよう」と呟けば

世界は
ぐるぐると廻りだし

あたしの世界は
輪郭を取り戻す



瞬間
何もかも全部忘れて

君とあたしは世界で二人ぼっちになる



君の体温だけが
唯一の

手がかりとなり


君のカラダだけが

あたしを実体化させる







どうして



どうして




あたしはあたしでなければよかった


あたしはあたしでしかいられなかった




それはこれからも
一生変わらない





あたしも

君のようになれるだろうか



それとも


君だって本当は、













あたしは本当に厄介な細胞で出来ていて


それがいつ君を苦しめることになるか判らない



そんなことが起こらないように



ちゃんとあたしは







あたしでいる
最優先事項


あたしにとって

今一番大切なこと
すべきこと


なんだろう


日々勝手に溢れ出る
≒無限の物事

一つ一つピックアップして

更にその中から
最優先事項を取り出す



なんだろう







なんて





本当はそんなもの

ずっと前から明確だ







毎日続く憂鬱を


何とかしないとあたし




あたし









降参してしまうよ