待望のランチタイム!
と思ったら12:00きっかりにアンナの携帯に電話が入る。
着信の番号を確認し、あえて電話に出ない。
5分後、外出の用意をし席を立つ。
『お昼へ行ってきまぁ~す。』と上司に告げて。
アンナはビルの外に出てすぐ留守伝を聞いた。
留守伝を聞きながら通り過ぎるオフィスの仲間に笑顔で軽く会釈する。
電話を切り、すぐにタクシーを拾って六本木に向かった。
アンナのオフィスは表参道だからタクシーで約5~10分でところだろう。
タクシーの運転手に『六本木ヒルズへお願いします。』と伝えた。
六本木ヒルズへ着き、運転手に二千円渡した。
『おつりは結構です。』と言った。
あまり停車していたくなかったからだ。
おりる瞬間、サングラスをかけ、羽織っているジャケットを脱いだ。
六本木ヒルズの住居棟へ入る。
顔パスだ。
エレベーターに乗り込み15階へ向かう。
15階に着き、鍵を開け、部屋に入った。
アンナの部屋だ。
生活感の無い、無機質なコンクリート壁。うす暗い照明。大理石の床。
普通のOLが住んでいるようにはとても思えない。
キッチンへ向い、その一番奥の大理石の床を蹴った。
1センチほどズレた隙間に指を入れ、45センチ四方の石板を持ち上げた。
石板の下には拳銃があった。
手袋を使ってそれを取り出し、また石板をはめ、元に戻す。
弾が1発入っているのを確認し、ハンカチに包んでバッグに入れた。
ほとんど無造作に、何の気も使わず、鍵をバッグに入れるかの様に拳銃を入れた。
すぐに部屋を出て、隣接するホテルへ向かった。
ホテルのエレベーターに乗り込み、20階で降りた。
非常階段で18階へ向かう。
『ランチが終わっちゃう。』と少し苛つきながらボソっと言った。
18階の非常階段出て右側、すぐにターゲットとなる人物がいる部屋があった。
事前に用意しておいた鍵を使って部屋に入った。
ターゲットはシャワーを浴びていた。
アンナはターゲットがシャワーを終えるのを待っていた。
今、手を出すと、服が濡れるからだ。
ターゲットがシャワーから出て来た。
落ち着いた表情でアンナは銃口をターゲットに向けた。
そして『とりあえず、洋服着てくれる?』とアンナがターゲットに言った。
ターゲッットは恐怖と反撃するタイミングを見計らっている様に
アンナを下から上まで慌てて目視ししながら、バスローブを羽織った。
アンナはそれが気に喰わなかった。
馬鹿にされているような気がするからだ。
今日に限らず、いつもそうだからだ。
バスローブを羽織ったターゲットをソファに座らせ、ターゲットが買っていた缶ビールを勧めた。
500ml缶2本全部だ。
ターゲットは恐る恐る缶ビールの栓を開け、口を付けた。
しばらく様子が変わらないアンナを見ながら2本を飲み終えた。
缶ビールを置いた瞬間、アンナはターゲットの右側頭部から拳銃を撃った。
横たわるターゲットの右手に拳銃を握らせアンナは部屋を出た。
自分の部屋に戻り、拳銃を元に戻して、会社に戻った。
時計は13:05。昼食をとる時間なんてない。
お腹が空いてかなりイライラしていたが、笑顔で『只今戻りましたぁ~。』と上司に言った。
そして緊張感のない業務時間が始まった。
18:30少しの残業をして今日のお仕事は終わった。
今晩は、これから飲み会だった。
「人数合わせで・・・」と彼には許可をもらったが、アンナは結構楽しみにしていた。
暗くなり始めた表参道をウィンドウショッピングしながら少し散歩をして、
スターバックスで一緒に飲み会に行く同僚を待っていた

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