駆け抜けるように進んできました。次は冷戦時代です。

 

第二次世界大戦の終結後、ドイツは東ドイツと西ドイツに分かれ、

日本は天皇制を認めるという条件のもと、アメリカ軍の実質的な統治下に置かれる

ことになりました。

この時期からアメリカとソ連は資本主義と共産主義の"冷戦時代"に突入します。

これを"Cold War"といいます。

アメリカとソ連は勝戦国でしたが、すでにこの時お互いに違う経済政策を

持つようになりました。

 

アメリカ: ニューディール政策で国家が経済に介入する

              "修正資本主義"、"新資本主義"

ソ連: 共産主義、国家が経済に介入し生産する企業を国家所有に帰属

 

まずは明確にするために、今回は二つの体制を見ていきます。

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共産主義/社会主義と資本主義の違い

 

 

(1) 共産主義/社会主義 : 品物を生産できるすべてのもの = 国家所有

 

簡単に説明すると、物を作ることのできる工場 & 農産物などが出てくる土地は

国家所有です。

ですが、国家から受け取った生産物については平等主義が成立しません。

 

国家から分配された品物や農産物が個人にも平等に分配され、

分配された品物や生産物もまた国家のものではないように、

全ての個人所有を否定するのではなく生産物に対する部分は個人所有権を認めるのが共産主義/社会主義です。

 

中国を例としましょう。

中国は全ての土地が国家所有です。

しかし、土地から出た生産物は個人間の取引もでき、所有権を認めています。

その代わり、土地は個人が売買することはできません。

アパートも同様です。アパートは土地で生産された品物として見なすため、

個人間での売買が可能です。

 (共産主義/社会主義の体制を理解すればこれも簡単に理解できます。)

ただし、アパートが建てられたその土地は国家所有です。

中国のアパート: 個人の財産として認められる = 生産物

中国のアパートの土地(敷地): 国家所有 = 生産先

 

代わりに、国家が所有する土地を賃貸形式でアパートを設立しようとする

会社に貸します。

大体80年、100年というふうに国家と土地賃貸契約を結びます。

もし契約が更新されず、突然国が道路を広げるために土地に建てたアパートを

全て取り壊すと言い出すとします。

それが通知されたら、なんの抗議もできないままアパートに対する財産は

飛んでいくのです。

 

(2) 資本主義: 品物を生産できるすべてのもの = 個人所有<資本家、工場経営者など

 

共産主義とは反対に、生産者、つまり土地や工場などの個人所有が可能です。

そうなると資本家と労働者に階級が生じ、これをもとにひどい貧富の格差が生まれることになります。

また、労働者の階級を中心に作られた労働組合も生まれ、

国家の複雑性と利害関係が複雑になります。

 

このような理由から、資本主義は進化を繰り返してきたわけです。

初期資本主義 (国家の介入がない)、修正資本主義 (国家の介入がある) などの

国家が介入を適切に行うかどうかが鍵となり、進化してきたのです。

今、日本が採用している資本主義は

生産をする主体を認める体制と理解してください。

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本題に戻り、アメリカとソ連の両体制が世界に広がり始めます。

資本主義なのか?それとも共産主義なのか?

第二次世界大戦後、アメリカとソ連がともに勝戦国なので、

戦利品として国家を奪い始めます。

 

ドイツ:西ドイツと東ドイツ

韓国:南韓と北韓

日本:アメリカが駐留し、資本主義国になった姿

ギリシャ:イギリスのものになり

ブルガリア、ルーマニア、ハンガリーなど(東ヨーロッパ諸国):ソ連の影響圏に帰属

 

* 東ヨーロッパ諸国がソ連の共産主義を受け入れた背景は、

ドイツの第二次世界大戦時にソ連に近い国々であった

東ヨーロッパ諸国がソ連の保護を受けながら自然にソ連の影響圏に入り、

共産主義思想を採用しました。

 

このように国際社会がアメリカとソ連に二分化されはじめます。

そして、体制に沿った冷戦時代が展開されることとなります。

これもまた、生産と需要による世界の二分化と考えていただければと思います。

資本主義国家では当然増えた供給を消費してくれる国が必要だったのですが、

ソ連の主導下の共産主義体制国家が生産者を否定し資本主義国家の生産を

受け入れないので国家自体が苦しくなり、

またこの現象が繰り返されて当然のように関係が悪化したのです。

 

私たちはよく政治的に資本主義と共産主義を分けて話をします。

またこれが冷戦時代と呼ばれますが、結局は経済制度によって変わった国家が

実益を考慮して生成された理念なのです。

しかし、このような事実を隠したまま国民や共産主義/社会主義体制を

排斥しなければならないため、共産主義/社会主義はとにかく悪くて危険なものとしてメディアと国家が主導して宣伝し始めた歴史的背景が現れた背景です。

 

最近問題になっている福祉もまた、このような経済体制から始まります。

簡単に説明します。

スウェーデンやフィンランドなど福祉が充実する国家に

私たちは憧れを抱いています。

経済的に分析すると皮肉ですが、

 

福祉国家 100% = 共産/社会主義国家 です。

 

共産/社会主義は国家が国民に全ての生産物を平等に配分することに起因します。

これはつまり、国家が100%国民の生活をケアするという意味です。

生産主体を国家がコントロールして所有するので、そこから出る利益は全て国家に

帰属し、帰属された利益を国民に平等に分配するというのが

福祉国家100%の形です。

 

理想主義ですよね。

ここで私たちが今まで見てきたことをもう一度考えてみると、

国家が介入することが福祉国家になるのです。

福祉の%が100%なら共産/社会主義になり、

60%~80%?くらいなら社会主義と民主主義(資本主義)をミックスした社民主義になり(これがスウェーデン、フィンランド)、

福祉が0%の国家は私たちが資本主義初期の様子、修正資本主義以前の姿です。

 

福祉 100% = 共産/社会主義国家

福祉 過半数以上 = 社会民主主義国家

福祉 0% = 産業革命後の資本主義初期

 

考えてみましょう。福祉をするには国にお金がなければならず、

国家の介入が必要です。そうして税金を徴収し、国民に利益を与えるのです。

公式は

(1) 国家介入が強く、税金が多く高福祉であれば

      私たちが憧れる北ヨーロッパ諸国の福祉国家形態

(2) 国家介入が弱く、税金が少なく低福祉であれば

      資本主義を採用しているまあまあの国家形態

 

このようなやり方で "増税なしの福祉"はありえません。

増税するということは、国家の介入を増やすという話であり、企業や国民から税金を多く徴収するということです。

そうなれば、企業は当然税金を多く払うことになるので苦しくなり、

さらには労働者を解雇することになります。

 "労働者=消費者" なので極端に言えば悪循環が起こるわけです。

 

福祉がなければ企業の税金が減るので

企業は生き残り、雇用は増え、労働者の暮らしは良くなるかもしれませんが

社会的に福祉がないのでむしろ余計に支払わなければいけない

消費が増え、さらに大変になるのです。

 

なので、各国は企業や国の発展が優先か?福祉が優先か?を決めることになります。

これがまさに資本主義と共産主義/社会主義の違いです。

私の観点から申し上げるとすれば、

福祉か?そうではないのか?とも考えることができると思います。

また、この部分が冷戦時代の序幕を知らせる前哨戦です。

 

冷戦時代の基本的な概念を理解したので、これからは事件を中心に経済と連携し、

一つずつ5部で説明してみようと思います。

少し複雑に見えますが、

基本的な理論だけ定めて見れば脈絡をつかむことができるでしょう。