昨晩、仲のいい男にかまかけて
気になる人をご飯に誘って

高校時代の友人に言われるがまま、様々勇気を振り絞っていたのだけれど

今朝方見た夢が
全く関係無いのにどうしてこのタイミングなのかと
泣きたくなるような夢だった。
いや。ほとんど現実だった。
リアルだった。


見てはいけない夢を見た。
世界で一番見てはいけない夢を。



それ以前にも何か夢を見ていた記憶はあるが、あまり詳しく思い出せない。

私はANを探していた。姿を見つけたのに、ANはふと消えて、何と無く如何わしいお店に入った。
私も追ってその中に入るとANはいなかった。
程なくしてANもそのお店に入ってきたので、私はANに何か話しかけようとしたがそこの部屋を予約していたようで
「海音も一緒にカラオケする?」
と言われ、二人でその個室に入った。
二人には少し広めで、ソファが壁に沿って置かれ、液晶テレビがあり、大きめの机がある、至って普通のカラオケのような個室。
だけどカラオケがあるわけではなくて。
明らかに如何わしいお店にANと二人きりで、しかもお昼休みだったのか
「AN次授業は?」
と聞いた。(お互い大学生のはずだし、時間割自体は大学のものだった)ANも私も体育で、体育なら一度くらいサボっても単位は落とさないと踏んで、二人でそのままいた。
ANは2時間半この部屋を取ってあると言った。
机を挟んだ向かいに座るANが(カップルが事を始めるよう催促するための)時計を私に示すようにチラチラと見たので
「ほんとうにいいの?」とか
「何があったの」とかそんなような質問をした。ANの瞳は悲しみをたたえ、何かを諦めたようだった。

ANの隣にぴったりと私が座り
ANの右腕の手首から肘にかけてをゆっくり撫でて
ANの顔に汗でしっとりと張り付いた髪を避けて
白い肌がほんのり紅潮したひだりほほを右手で撫でながら


「こんな日が来るなんて思ってなかった」

私はそう言った。
今にも抱き締めて耳に口づけよう

…というところで私は自分が目覚めたことを悟った。目は開けていないし、ANの姿は見えているが、意識の中に朝日が差し込んできた。
どうしても、どうしてもその先が見たかった。もっとANに触れたかった。
でも
やはり目覚めるより他に無かった…。

例え、夢だったとはいえ

ANに誘われて
未遂をする夢など
絶対に見てはいけないもの
ANが請うた事であるにしても
絶対に見てはいけなかった

夢の中でも欲望に目が滾っていただろう
目を覚ました現実の自分さえ
半ば興奮していた
何故夢だったのかと自分を毒づきたいところだが、夢で良かった。
何もかもが壊れるだろうことを
夢の中の私はちゃんとわかっていたのだろうか。


今まで、手を繋いだり、好き好きオーラを振りまくような夢は見たことがあった。
だけど
ここまであからさまで直接的なものは初めてで、自分で許す妄想の範囲を超え、タブーな範囲へ踏み込んでいた夢の中の自分。
現実の私にも
そういう気持ちは(勿論)少なからずある、ということを示した夢かもしれない。

限りなく奇跡的に現実にこれが起こり得たら
きっと私は
「こんな日が来るとは思ってなかった」
と、やはり言うのだろう。


これを現実にしてはいけない。何度も何度も何度も望んだことではあるけど
許されない。あまりにリアルな夢の前では現実になりそうで怖いから
なってしまって後戻りできなくなることが怖いから
ここに記しておく。



     海音