推しは、日常に楽しみや癒しを与えてくれる存在です。また、推し活動は、夢中になれる趣味や体験、気持ちの共感を得られる人との交流の場となり、不安やストレス解消のためのツールとして一定の役割を担っています。

 人生は厳しく、時にしんどいこともあります。しかし、推しがあることで人生を楽しく豊かに過ごすことができます。「推し」は、最近出てきた言葉のようですが、何も特別なことはなく、昔から好きなもの、好きなアーティストなどがあることを意味し、熱中することです。

 「推し」がいることで、自分への自信にもつながります。推しができると、「推し活」をしていることが自分の個性になり、自分への価値も感じられるようになります。推しを見ていて、「うれしい」「楽しい」「好き」というポジティブな感情が満たされることも、自信を持ちやすくなる理由のひとつです。

 「景気」とは、私たちが生活している世の中に活気があるかどうかを表す言葉で、「景気が良い」は活気があることを意味し、「景気が悪い」は活気がないことを意味します。「推し活」に熱中することで、人は前向きに行動するようになり、活気が出てくることで消費するようになり、結果的に景気が良くなります。

 日本経済は、数十年にわたり停滞したままです。先進国では日本だけ停滞しており、完全に蚊帳の外にある状態です。政府の経済政策が機能していないこともありますが、私たち国民のマインドにも原因があるのではないでしょうか。どうも、日本だけが活気のない状態に置かれているように思えます。

 資生堂の調査では「推し」がいると回答した人は、2人に1人。「推し」の対象は「アイドル」「スポーツ選手・チーム」「YouTuber」「ミュージシャン」が上位とのことですが、そのほかに「動物・ペット」や「飲食物・飲食店」、「クラスメイト」など多様化しています。

 「推し」のことを考える頻度は、「ほぼ毎日」が最も多く。「リラックスしているとき」「休憩中」「寝る前」が上位ですが、「朝起きた時」「食事中」「スポーツ中」など「推し」の対象と同じ、多様化しています。

 「推し」がいてよかったと思うことでは、「人生に楽しみができた」「元気がもらえる」「人生が豊かになった」「人生に充足感を感じるようになった」「毎日が充実する」という回答が上位となり、「推し」の存在は毎日の充足度を高めているようです。

 逆に気分が落ちた時に力をくれるものも「推し」のようです。上位は、「食事」「推し」「睡眠」ですが、「推し」がいる人にとって、「推し」には睡眠やお風呂を超えるリカバリー力があるとのことです。

 「推し」は素晴らしい今日を届けてくれる存在であり、「推し」がいる人も素晴らしい今日を体現していることがわかりました。好きな人、ものがある生活はやはり充実しやすいことが調査結果からもわかります。

 個々人の人生にとって、一日をいかに充実させるかは大事な要素だと思います。「推し」があることによって人生を楽しく豊かにすることができます。そして、結果的に日本経済への影響が個々人の前向きな行動によって活気が出てくることにつながり、景気が良くなるのだと思います。