職場にいかにもきちっとした事務のスペシャリストがいる。多分、折り紙とか1ミリの隙間もなく折るんだろうなと感じてしまう。
完璧なので周りは緊張している。あの人の前でミスしたらあかんと。
私も入ったばっかりだったが、すぐに察した。しかし、この人の凄いところは、上も下も関係なく全ての人に厳しいところだ。
なんなら部長に「これは、違います」と意見言う。嫌味なお局なら忖度したり、人によって態度を変えるが、彼女は決して変えない。ベテランのパートでも「こうしてください」と淡々という。
先日、配達のおじさんが談笑して作業してた時、「話しても構いませんが、手が止まってますね。手が止まるようなら談笑は辞めましょう。時間がかかりすぎです」と60代のおっさんを注意していた。
検査室の研究員の若い子にも「私たちが持ってきた検体をずっと放置してますよ。緊急のもあります。周りを見なさい」と注意して、若い研究員の顔がこわばっていた。
とりあえず、めちゃくちゃ厳しい人で有名なのだろう。しかし、私は凄い人やと思う。最近、尊敬の念を持つようになった。さて、その人は嘱託社員でありながら、入社3年目の正社員にバリバリと指導をしている。
「こうしてください」「この意味を理解してますか?」「どうやれば効率的に仕事がはかどるか理解してますか?」
タジタジになる男性社員。「あなた正社員でしょ?」と言う嫌味ひとつも言わず、本当に育てるために善意で厳しく教えている。
この人、マジですごいなー。家でも、こんなにきちっとしてるのかしら…。
すると、やはり家でも同様らしく、先日キャベツの保存方法を話していた。賞味期限切れの食材を出さないために効率的に冷蔵庫の管理方法を教えていた。
また、8月は出費が激しいのでやりくりの方法も計算して赤字を出さないか話している姿に「まじで凄いわ…」と圧倒された。
その場限りで「なんとかなるやろ」タイプの私と大違いである。圧倒的すぎて、「もう少し私もちゃんとやらんとなー。全部がいい加減や」と反省してしまう。ただ、24時間このタイプと生活するのは…、キツイかもしれない。もし、この人が姑になったら嫁の立場としては大変やろうな…。特に私のようないい加減な女は…。