母の勤めている個人病院は、県内でも納税率トップクラスに入るほど儲かっている。そこの院長には娘がいる。当然、庶民とは全然レベルが違うお嬢様である。最近、結婚して出産したが、そのお嬢様が鬱になったらしい。
夫は、土建屋の社長の息子。普通の家庭よりはお金持ちだが、嫁とはレベルが違う。なんだかんだで、普通に育ってきた人だった。男兄弟で育っており、家庭環境もあり少し言葉は乱暴だという。
今まで聞きなれない乱暴な言葉など無縁なお嬢様にとって、子育ての疲れもあり耐えられなかったようだ。
週末婚という形を取り、土日だけ夫と過ごす生活のようだ。平日は、お手伝いさんのサポートのもと子育てをしている。ただ、離婚するつもりはないらしい。
ってか、育児に専属のお手伝いさんを雇っている時点で異次元の話に聞こえた。凄いな…。
時々、お手伝いさんに任せて1人の時間を作るらしい。
「育児であたまがおかしくなりそうだから、3時間くらいはお手伝いさんに任せるって言ってたよ。なんかさ、やっぱりお金持ちって凄いなって思った」と母は言っていた。
夫は妻の生活が理解できないらしい。ほぼ、お手伝いさんに任せて、実家暮らしで、なんで鬱になるんやと。
「夫婦で価値観が違いすぎるんじゃない??ここまでだと結婚生活持たないよ」と母に言った。
育った生活環境があまりにも違う夫婦の結婚は、たいてい苦労する。
まあ、私たち夫婦も育った家庭環境が違いすぎて戸惑う事あるけどな。それでも、庶民同士の結婚であるからなんとかなるのだと思う。
おとぎ話のような貧乏な家の娘が王子様と結婚して幸せになる話はあるが、その後はどうなんだろうとふと考える。現実は、上手くいかないのがほとんどだろうな。