友人と会った時に、遺産相続の話になった。
友人の母は、筋肉が減っていく病気らしく、腸も弱っており、固形物が入らなくなったらしい。
死期を悟ったのだろう。娘3人を呼び出して遺産相続の話をしたそうだ。話は以下の通り。
①祖母の代からある空き家がある。生まれ育った母の実家なので、売りたくない。
②3人のうち誰かその空き家と土地を引き継いでくれないだろうか?
3人の娘は、全員「いらん」とのこと。もはや、それぞれ住んでいる家がある。長女は、東京。次女は、福岡。三女は、地元だが1人暮らし。ちなみに友人は次女で1人暮らしの独身ライフを謳歌している。
「頼むから生きているうちに空き家を壊して平地にしてくれって頼んだけど、お母さんが嫌がってさ…。あっても迷惑なんだけどなぁ。平地なら、駐車場とか貸し倉庫にするんだけどね」
淡々と話す友人に「凄いな。私なら動揺しちゃって何も言えないかも」と言ってしまった。
母親が死期を悟って呼び出して話すだけでも、耐えられないかもしれない。動揺して…。その子は冷静だった。
「まあ、ずっと病気してたからね。でも、ハッキリ言っておかないと残されて困るのは私たちだから」
確かにその通りかもしれない。空き家問題は、どこの家も深刻だ。旦那の家だって、3軒もある。最低取り壊し費用は200万だというから、頭の痛い問題だ。
淡々と話す友人の姿にもしかしたら私もいつかくる親の死を少し考える。まだ現実感がなくて受け止められない。その子がコロナで会ってない間にたくさん悲しみ泣いたのかもしれないが、とても強いと少しビックリしてしまった。