今回は、不動産屋のお兄ちゃんの話。


初対面の印象は、「チャラい兄ちゃんが来たで」という印象。昔のキムタクヘアで、サラサラのロン毛で茶髪である。


名刺をもらうと社長で、1人でやってる小さな不動産屋だった。茶髪の理由も染めたのではなく、プールに行き過ぎて色が脱色したらしい。


脱色するまでプールって…驚きもしかして、めちゃくちゃ暇なんじゃ…。


しかし、話をしてみると妙に憎めない可愛気のある人だった。愛され力があるというのだろうか。できるタイプではないけど、憎めない。


大学の近くの不動産なので、1人暮らしの学生の物件を持っているらしく、自分の所有しているマンションで格安で貸しているとも教えてくれた。


「親元から離れて1人暮らししている学生なのに、コロナでしょ?ずっとリモート授業で友達も作れず孤独だろうと思って、ご飯会を企画したり、バイクでツーリングをしたりして、同じマンションで交流会をしてるんです」と。


少し見直した。不動産屋で、そこまでやる人っているんだな。


すると、後で旦那が「独身貴族だからだろ。家庭持ってたらできん。あと親が金持ちとみた。1人でのしあがってきたタイプじゃねぇ」とボソッと言った。


この人の言うことは辛辣だが、驚くほど人間観察は優れている所がある。たったちょっとしか話してないのによくここまで分析するよな。違ってるかもしれないけどw


数日たち、事務所に行って契約をしたのだが、暇を持て余している子供に「私が1曲ピアノを弾きましょう」と演奏会をしてくれた。最初は、正直ビックリしたが、だんだん面白くなってきた。


ちなみに事務所は、めちゃくちゃ汚い。不動産屋なのにギターが3本とエレクトーンが置いてあり、書類が机の上に山積みだ。ゴミ屋敷の中でキレイなエレクトーンの音色が響き渡っている。


なに、この空間ww面白すぎるで、不動産屋のお兄ちゃん泣き笑い泣き笑い泣き笑いちょっとしたショータイムだった。次女は「その曲は知らん」と批評しだすし。


契約が終わると、不動産屋のお兄ちゃんが所有する車とバイクを見せてもらった。これが1番旦那は喜んでいた。


さて、帰り道に旦那は「悪い奴じゃないけど、事務所が汚ねぇなぁ。俺は掃除したくなった」と言っていた。


ジムでプール三昧、バイクとスポーツカーに乗り、ギターとピアノが趣味の心優しい茶髪の不動産屋(社長)。旦那が最初言っていた通り、あれはお坊っちゃまの可能性大やな。


しかし、色々言いながらも旦那は嫌いではなさそうだった。根が優しい人は、厳しい環境に育った旦那にとっては安心できる存在なのかもしれない。


その後、書類不備で電話がかかってきたけど「あいつだから、仕方ねぇな」て雰囲気だったし。


愛され力がある人って最強だよなと思う。