モーさんは本当にドSだと思う。
今日は実家へ行った。実家には太郎という犬がいる。普段は部外者であるよそ者にガンガン吠える優秀な番犬なんだけど、モーさんはそれが面白いらしい。
「あの犬を服従させる」と言って5分でやっていた。やり方は炎上しそうなので言わない。
太郎を完全に自分より下と思わせて、最後は散歩をしていた。普段は飼い主に合わせて歩かない太郎がモーさんのペースで合わせて歩いている。
「お前の家の人間は優しすぎるんだよ。動物ってのは本能で動く。最初に誰が上かわからせることが重要」とモーさんは言った。
正直、私はこの実家の太郎が好きじゃない。飛びかかってくるし、私を下に見る傾向がある

だからあまり近づかない。それを一瞬にして「俺が上」と植え付けるモーさん。
我が家に足りない遺伝子が彼にはある…。家族になるという事は自分にはない欠けてきた何かを補うということかも知れない。
それでも、怯えている太郎に少し同情した。私は悪魔と結婚したのかもしれない。