帰宅したモーさんは、顔色が悪かった。口数が少ない人が更に少ない。
そして、私の独断で夜間の救急外来に電話して検査してもらえる病院を探した。まず、大きな病院に電話すると夜間の近所の病院を紹介される。しかし、その病院にモーさんの症状を話すと「検査できる病院がいいので病院を紹介してくれる機関の番号を教える」と言われる。さらにさらに、また紹介された電話にかけると「そりゃ、大きな病院じゃなきゃこの時間は調べられない」と再び断られる。
大好きなビールも飲まず、夕ご飯をひとくち食べて「ごちそうさま」と言い、布団にいってしまった。
おかしい。絶対におかしい。
私の警報装置が頭でガンガンなっている。いつもは寝かしておくが今日はモーさんのところへ行き「どうした??変だよ。具合悪いの??」としつこいくらい聞きまくった。そうしないと、彼は喋らない。
すると小さい声で「膀胱が痛い」と。寝てれば収まるという。でもどう見ても寝てれば収まる雰囲気ではない。
「あのね、長年の夫婦生活であなたがお酒も飲まない日ってよっぽど具合が悪かった時しかなかったのよね。だから、今日ははっきり言って。どこが痛いの??どういう風に痛いの??」
それでも、彼は話さない。ただ彼の様子で「これはいつもの腹痛ではない」ということははっきりした。
そして、私の独断で夜間の救急外来に電話して検査してもらえる病院を探した。まず、大きな病院に電話すると夜間の近所の病院を紹介される。しかし、その病院にモーさんの症状を話すと「検査できる病院がいいので病院を紹介してくれる機関の番号を教える」と言われる。さらにさらに、また紹介された電話にかけると「そりゃ、大きな病院じゃなきゃこの時間は調べられない」と再び断られる。
腹が立ってきた。素直に言われた通り電話した病院は、全部ダメやんか。もう、大学病院にかけた。最初は「ダメ」みたいな雰囲気だったけど、小さい病院に電話したら断られたんじゃ〜!!何回色んな病院に電話したと思ってる。あんたら、うちの旦那たらい回しにする気か!!とキレてしまった。
そしたら受け入れてくれた
やはり、時には強く言うことも大事!!

さて、次の問題は子供たち。もう夜中10時だったので起こして連れて行くわけにはいかない。母に電話して来てもらった。
モーさんはそれでも「大げさにするな。大丈夫だ」と言ってくる。もう、全て無視ね。私は自分の直感だけは信じている。私の頭の警報が鳴った時は絶対にヤバイ時。私の勘は当たるんだよ。
母が到着すると、すぐ大学病院へ。モーさんは「ここまで来て何もなかったらお笑い草だ」と小心者全開だったけど、それならそれでいい。大きな病気の方が怖い。
検査時間は、非常に長かった。問診で先生から「いつから痛いか??」と聞かれ、なんと3日前の火曜から痛いと言って呆れた。今日の夕方から痛みが酷くなり、辛かったらしい。
結果…、尿管結石だった。膀胱も腫れてるという。しかも膀胱に細菌が入り血尿も出ており、オシッコの流れも悪いという。
ほら、みろ!!私の言った通りだったじゃん!!
モーさんは「この俺が尿管結石??水素水飲んでるのに??」というから呆れた。水素水は、全てを救ってくれるわけじゃない。
それにしても、こんなに辛かったのに今まで私に何も話さないってどういうことかね。私はなったことないけど、尿管結石ってかなり痛いと聞いたことあるのによく我慢できたな。
幸いなことにモーさんの尿石は小さく、自然に落ちるのを待てば出てくるみたいだけど、尿管を通る時だけ非常に痛いらしい。だから、痛い時と痛くない時で差があったのか…。
しかし、膀胱の細菌は先生も気になるらしく、白血球が高いのもあり、次の日すぐに専門の先生に診てもらうことになった。
帰りに軽くキレながら「あのさ、その何にも話さない習性やめてくんないかな。そっちの方が怖いし手遅れになったらどうすんのよ。私が言わなかったら病院行ってないでしょ。せめて、家族くらい体調が悪い時は言ってくれないと困るんだけど」と注意しておいた。
しかし、モーさんから返ってきた言葉は…「あのさ、俺が検査している時にほうじ茶飲むのやめてくれない。縁起が悪いしまだ死んでねーけど」と。
一瞬意味がわからなかったがほうじ茶→法事→死ぬを連想したようだった。
心底、ガクッときた。事の重大さをまるでわかってない。
その後モーさんは、小さな尿石が尿管を通るたびに「痛い」と言っている。痛み止めを飲んで、とにかく早く石が流れてくれることを願うばかり。