モーさんの会社が70周年を迎え地元の新聞に大きな広告を載せた。
当時は大ウケで話を聞いてたけど、なるほど新聞を見て彼の予言通りオデコの辺りが薄くなっている。
社員全員が写っている広告。
実はこれの事をモーさんから全く聞いておらず、実家の両親が友達から聞いたらしい。
「あんた何も聞いてないの??」
いや、まったく
ほとんど仕事の事は話さない人なんで、今知ったわ


娘は嬉しそうにウォーリーを探せのようにモーさんを探している。見つけた時の嬉しそうなこと。こういうのを見ると子供にとって小さい時はどんな親でも絶対的な存在であり、父親が大好きなものなんだなと思う。
モーさんが帰宅してこの事を話すと「あぁ、それね」とそっけない。どうせ新聞取ってないから言ってもわからんだろうと思ったんだって。
まあ、今さらモーさんがこんな事をいちいち話す男ではないと私もわかっているのでこんな事はどうでもいい。
もっとショックなことがあった。私の元職場でもあるので同期を探したんたんですよ。
1人は、超デブになっていて、1人は髪の毛が薄くなっていた…。もう、どこからどうみても中年のおっさん…
いや、私もおばさんになってるから人のこと言えないけど、何十年ぶりに会う同期の変わり具合に衝撃をうけてしまった。

そこで思い出したことがある。私と同じ店舗に配属されたTくん。彼は当時から髪の薄さを気にしていた。
「俺はハゲになる事を避けられない。何故なら親父も祖父もハゲだから。だから、ハゲる前に嫁を見つけろと家族から言われている」
当時は大ウケで話を聞いてたけど、なるほど新聞を見て彼の予言通りオデコの辺りが薄くなっている。
1ヶ月前にTくんからモーさんに結婚式の招待状が届いていた。派遣社員の女の子とどうやら結婚したらしい。
髪の毛は薄くなったが、まだギリギリ間に合って良かったな、Tくん。幸せになれよ…
そんな感情が広告を見て出てきてしまった。