交通事故の加害者の女性が事故から1年たち義母のお見舞いに来たらしい。

看護師さんにその事を聞くと「はい、来られましたよ。部屋はどこか聞かれました」と話していた。

もしかしたら、何度かお見舞いに来てる可能性はあるが、私が知る限り義母の容態を見に来たのは初めてじゃないだろうか。

事故直後は、彼女は精神的に参っていて、まともに立つ事もできなかった。

泣き崩れる若い娘に、義父は、「若い娘さんだし、可哀想だから別に来なくていいよ。」と言い、モーさんは「もう、いいよ。来なくて」と言っていた。

目の前でボロボロの若い女性を見ると、やはり男は弱いんだなぁと思った。私は、同性だからか「可哀想」なんてちっとも思わなかったけど。

1年経って、少し加害者の女性も心が落ち着いたんだろう。

私は、血縁の家族が「お見舞いに来なくていい」と言ってたので従っていたが、本音を言えば「あんたが車でひいた義母は、今こんな状態になってるんだよ」と見てほしい気持ちもあった。

確かに本人は辛いかもしれないけど、間違いなく1番辛いのは義母なのだ。

交通事故で義母の人生は半分以上奪われたと言っても過言ではない。

また、モーさんがこの1年本当はどれほど母親の事故で辛かったか知ってほしかった。

交通事故で苦しい思いを加害者の女性もしただろうけど、あなただけじゃない。

交通事故の夜、人前で泣けないモーさんが「1人にしてくれ」と部屋で1人で泣いてた事を私は知っている。


交通事故のニュースを見ると、いつも義母の事が頭をよぎる。

義母の事がなかったら、交通事故のニュースは今まで何処か聞き流していた自分がいたが、今はそうじゃない。

自分が交通事故被害者家族になって初めて、交通事故の怖さを知った自分がいる。