今回、改めて交通事故の恐ろしさを知った。

昼頃、病院へ行くと加害者家族が来ていた。

到着した時は、旦那と加害者とその両親で話しており、加害者はまだ若いロングヘアーの女性だった。

旦那は、私を部屋に入れお前からも何かあるか?と聞かれた。

正直何から話していいかわからない。

目の前にいる若い女性は、見るも無惨に憔悴していた。

しかし、いくら相手が若い女性でも義母を植物人間にしたのは事実である。

私なりに今の思いを精一杯伝えた。

「義母は、娘の誕生を喜んでました。来年の娘の誕生日を楽しみにしてたんです。もう、義母は意識が戻ることはありません。今後、あなたのした事をしっかり噛みしめて生きていってください」

泣いてしまったが、こんな内容を話したと思う。

親は何度も頭を下げ、私の娘にも「あなたのおばあちゃんをこんな事にさせてしまって本当に申し訳ない」と言っていた。

加害者の名前は、悲しくも娘の名前と一緒で、妹と同じ歳だった。

「私の娘もあなたと同じ名前なんです」と言ったら、その子は再び号泣していた。

神様って意地悪だなとこの時ほど感じたことはない。

それ以上、その子を責める事は出来なかった。

私たちも辛い傷を今回の交通事故でおったが、この子も一生罪の意識を負うことになるだろう。

今回は、たまたま私たちは被害者という立場だったが、私も毎日車を運転する。

いつ自分が加害者になるかわからない。

交通事故は、一歩運が悪かったら人の人生を狂わせるものなんだなと改めて感じた。

暗い個室の中で娘だけが、意味もわからず笑っていた。

加害者家族を覗き込み、笑っている娘。

余計にその事が悲しかった。

加害者家族が帰って行き、旦那が娘を見て「お前が1番良いなぁ。何もわからなくて笑っていられて羨ましい」と言っていた。

この悲しみを旦那と娘と3人で乗り越えていきたい。