トカゲスは仕事が休みの日曜日には
子供の頃から入っていた野球チームで監督をしていた
何度も言うが外では本当にいい顔をする
だか、何事にも熱くなったり
思い通りにいかないと
すぐに瞬間湯沸かし器状態になる事は
知る人ぞ知る
子供が小学生になった頃
トカゲスの意向でこの少年野球チームにお試しで入る事になった
トカゲスはスポーツ万能で昔はプロにスカウトをされる程だったが
怪我をしてプロ入りを諦めた経験がある
俺の息子ならば野球も上手いはず、、、
自分の夢を託したい
そうトカゲスは思っていた
息子は私に似ている
きっとむいてはいないだろう
ある日曜日
私は仕事に出かけ
トカゲスは息子を連れて野球に出かけた
まだ小学1年生で、ルールも何もわからない
父親のトカゲスに連れて来られて
息子はきっとただの遊びの場だったろうに
ちゃんと野球が出来ない息子に腹を立てて
怒鳴り散らして顔面に蹴りをいれた
息子は吹っ飛び前歯を折った
私は仕事だったが義理母からの留守番電話を聞いて青ざめた
その足で急いで病院に向かう
息子の顔は腫れて痛々しい
まだ小学1年生
息子を抱きしめながら涙が止まらなかった
自分が殴られるよりずっとずっと痛かった
ごめんね
ごめんね
ごめんね
そういえば
息子が泣いたのを見た事がない
何をされてもこんなに小さな子なのに
いつも冷静だった
この子は人生何回目なんだろうか
息子は私を守るために生まれて来たと言った
トカゲスの怒りの矛先を私から息子に変える為だとしたら
それは絶対にあっては行けない事だ
今の時代
監督の暴力は問題視され大きな問題になる
息子の場合はどうなる
周りの保護者にやりすぎだと言われるだけだった
いよいよ動かなくては
みんたかひめ
