※こちらは「暗殺教室」のBL創作小説となっております。
※R18
※CPカル渚
※作者趣味
第一話 -宵闇の隠し事-
教室を照らす夕日が山の向こうに傾き、教室内もオレンジ色に染まる頃。
教室内に残るは二つの陰。恐らくE組生徒だろう。
流れるような水色の髪を二つに縛った片方の自身の席に座ったまま。
其とは対照的にに燃えるような緋の髪の生徒は机を挟んで立っているようだ。
「あのさぁ…」
突然に緋の髪の生徒――赤羽カルマ――は口を開いた。
びくり。小さく震えた向い側の少年――潮田渚――はちらりと目の前の相手へ目線を向ける。
微動だにできずにいれば、自身の顔へと相手の腕が伸びてくる。其の儘触れた手と其の懐かしい体温。
その指は頬から唇を通り首元へとゆっくりと、単調で滑らかに動きを進めた。
「友人」であり「親友」といっても過言ではないと信じていた。
そんな相手の突然の行動に怯えているのだろうか。
何も言えない渚を傍目に口元を緩ませた彼の本心は一体。
…そんなことはわからないまま大人しく行動を見守る。
普段ふざけ合う様な仲の良い関係。
曖昧で崩れることはないと思っていた「友達」の関係。
そして「中学生」という弱い立場。
目の前の「彼」はその関係に何を望んでいるのだろうか。
「僕」に何を見出して、何を欲しているのだろうか。
見つかるはずもない答えを必死に探せば意識はそちらに集中する。
不可解な…そう。…不可解としか言いようがない相手の行動。
「友達」はこのようなことをする間柄だったか。
脳内でショートする思考。もはや目の前の彼の言葉は聞こえない。
「俺さ、…――…のコト…―――。」
――気が付けば夕日は間もなく沈み切り、教室の中は宵闇に満たされた。自分と相手の表情さえも、宵闇に隠されてしまった。
<続く>