SNSで萌え絵=ロリコンと呼ぶのを見かける。
「萌え絵」の定義は難しいものの、それを「ロリコン」と呼ぶ人達の主張を借りると「オタクが好きそうな絵」という事らしい。
そもそも「ロリコン」とは、元々は違う意味だったが、少女性愛またはそういう趣味を持つ犯罪者を指す言葉として定着している。
私はこれを「レッテル貼り」だと言いたいが、それだと説得力に欠けるので別の言葉を探すと「ラベリング理論」という言葉が出てきた。
ラベリング理論を意訳すると、逸脱者は社会から逸脱しているから逸脱者なのではなく、社会が「逸脱者である」と判定することで逸脱者となる、という理論。
具体例として、不良は最初から不良なのではなく、社会から「不良である」と判定され、相応の扱いを受けることで社会から逸脱するようになり、不良となる、という感じ。
転じて、レッテル貼りをするとそのうち本当にレッテル通りの人物になるという考え方。
ただ「萌え絵=ロリコン」を「ラベリング理論」とするには抵抗がある。
というのも萌え絵をロリコンとラベリングしても、萌え絵はロリコンになることはなく、オタクが少女性愛犯罪者になるとも考えにくいからだ。
むしろラベリング理論だと「オタク=性犯罪者」と扱い続ければ、オタクはそのうち性犯罪者になるので、未来の性犯罪を増加させてるとも言える。
更に調べていくと「社会的スティグマ」という言葉が出た。
社会的スティグマとは、一般とは違うことから差別や偏見の対象とされる属性、またそれによる負のイメージ。
例えば、COVID-19は最初の症例が中華だった事から、欧米では「アジア系と関わると感染する」という考えが生まれ、事件にまで発展した事がある。
これは当てはまる部分があり、萌え絵とそうでないイラストを区別し、「萌え絵が好きな人は性犯罪者」というイメージを定着させようとしている。
「萌え絵=ロリコン」は暴論ではないか、と調べていくと「社会的スティグマ」という言葉を学んだ。なかなかに気分がいいものである。