唐突ですが、

 

「これからはあなた達の時代です」

 

という言葉を皆さん一度は聞いたことあるのではないでしょうか。

 

私も、どこで誰が言ったかはわかりませんが言われたことがある気がします。

 

大体は卒業式などで校長先生やPTA会長など学生立場からみたら年配にあたる方に言われた言葉でしょう。

 

こんな言葉は学生時代同級生同士では言わないし、

 

「これからは俺らの時代やなぁ」

 

なんて会話はしない。

 

中学校卒業するときも高校卒業するときも壇上で先生達がこの言葉を言うのですが、私は全然ピンときませんでした。

 

ピンと来た人いましたか?

 

中学校卒業して、高校へ。高校を卒業して大学や専門学校へ行くときも

 

「これからは俺たちの時代だからちゃんとせないかんなぁ」

 

なんて思った人いるでしょうか?

 

少なくとも私は思いませんでしたし私の友人からも聞いたことはありませんでした。

 

学生時代が終わり、社会人になったとき院長先生などから

 

「若いみなさんの活躍を期待しています」

 

みたいな言葉をいただきました。

 

新社会人になって先輩方や同僚の協力もあり一人前の技師にはなれました。

 

いろんな仕事に積極的に関わり、まぁ普通に頑張りました。でも

 

「よし、これからは俺の時代だ!」

 

とは思いませんでした。

 

それは経験や勤務年数が増えても私の上には年上の先輩や上司がいて、意見することはあっても決めるのは責任がある上司のため自覚が芽生えなかったからかもしれません。

 

 

病院勤務時代はそれでもまぁまぁ普通に働いていたわけですが、妻の仕事、家事育児の家庭内のバランス、親の体力などを鑑みて37歳で退職し農業の道を選びました。

 

主な作物は米です。

 

幼少期から米作りの手伝い(田植えと稲刈り程度)はやっていて、30を超えたあたりからトラクターにも乗っていたのでスムーズに米作りはスタートできました。

 

漠然と

 

「今は面積少ないけど、10年経てば作付面積も増えるだろう」

 

と考えながら始めた稲作。

 

10年後20年後どうなるかはわからないがとりあえず計画は立てておこうと思って簡単な計画を立てました。

 

 

 

 

目標は5年後 5町(5ha) 10年後 13町(13ha) にしました。

 

 

 

1年目 耕作面積1.7haから始まりました。

 

近所の高齢のYさんが私の父に

 

Yさん「おんし(お前んとこ)の若いし(若いの)が田んぼやるんならうちの田んぼ貸したる」

 

と言って74aを貸してくれることになりました。

 

私は作付面積を増やしたかったのでその時は嬉しくなりました。

 

これは完全に父のおかげです。

 

父がYさんと仲良くしてくれていたから、このような声をかけてくれました。

 

耕作面積は2.4haへ増加

 

 

2年目 引き続き目標は耕作面積拡大。

 

この時は別のYさんに自ら声をかけて

 

「良かったら貸してください」

 

と頭を下げてお願いし、1.1ha増えました。

 

耕作面積 3.2haへ増加

 

 

3年目はまた貸してくれそうな方がいたので

 

「良かったら貸してください」

 

と頭を下げて貸してもらいました。

 

耕作面積 4.5ha へ増加。

 

 

ここまでが今までの経緯です。

 

 

5年目までに5haが目標でしたが3年目で4.5haまで集まりました。

 

 

近所の方から田んぼを預かる時は自分の田んぼ以上に気をかけます。

 

「しんちゃんに任せて大丈夫?」

 

と思わせないようにする必要があります。

 

「毎日田んぼにおるね」

 

「よう管理してくれよる」

 

「安心してお願いできる」

 

という状態にして置かないと農地を託してくれないのはわかっていたのでこの3年はガムシャラに働きました。

 

 

 

そして、この9月。3軒から

 

「田んぼを作ってくれないか?」

 

と話がありました。

 

1軒は耕作放棄地

 

2軒は直接お話をいただきました。

 

まだ正式な話は決まっていませんし、話は変わるかもしれません。

 

しかし、このような話をいただけただけで大変嬉しくなりました。

 

 

就農して面積拡大するには信用を積み重ね、認めて貰えないと農地を任せてくれません。

 

きちんと管理しているから人から農地を借りることができます。

 

就農から昨年まではこちらからお願いして貸してもらっていた農地。

 

ここへ来て相手からそのように依頼されることに

 

『今まで真面目に管理してきて良かったなぁ』

 

という気持ちと

 

『農地が増えてもちゃんと管理していかないかん』

 

という責任感が湧いてきました。

 

 

 

 

話を最初に戻します。

 

「これからはあなた達の時代です」

 

という言葉。

 

今までは聞いたことあるぐらいの言葉でしたが今ならはっきりと言います。

 

 

「これからは私たちの時代です」

 

これは

 

「老人やおっさんは引っ込んどけ」

 

という意味ではなく、体も健康で体力も頭も正常に動く若い世代が目標と責任抱えて突き進む時が来たという意味です。

 

9月20日で40歳になります。

 

一般的に起業している人からしたら40歳では遅いくらいですが、農業人としてはまだまだ若め。

 

これからの5〜10年。

 

元気で農業している父親世代の農家の方も同じように歳をとり、いつかは出来ない時がやってきます。

 

確実にです。

 

そのときには『頼りになる責任持って農地を管理できる私』でありたいと思っています。

 

 

あと私はまだ若いと思っていますが早40。

 

世間から見たらまぁまぁのおっさんで若い人から見たら成熟した大人です(中身は成熟してませんが)

 

私より年下の子に言葉をかけるとするならば

 

「もうお前が先陣きって活躍する時代は来てるよ。お前次第よ」

 

と伝えます。

 

5年後、10年後の中期計画(未来をどうするか)を考えながら責任もって突き進んでいきたいと考えています。

 

 

伸び代ですね!