毎日のボイチャ、毎晩のボイチャセックス。

タクトへの思いがどんどん深くなって行った。

「会いたいなぁ」と言う事も多くなった。


 顔も見たことがない、どこの誰かも知らない人を

好きになってしまうなんて、今までの私では信じられない事だった。


 でも毎日がとても楽しく、タクトの事しか考えられなくなっていた。


 タクトと私はとても性格が似ていて、どちらかが何かを言うと

それ私も!俺も!って事がよくあった。

私はそれがとても嬉しくて、子供みたいだが運命だと思っていた。


 ある日、二人で話していた時にタクトの結婚の話になった。

結婚する前にとても好きだった女性に結婚することを伝えに行ったと言う話だった。

「私もそうだったよ~。やっぱり好きな人にはちゃんと伝えたいよね!」と言った。


 「え?結婚してるの?」

凍りついた。すっかりタクトに心を許してしまっていて、

隠している事を忘れていたのだった。


 「あっ。うん・・・。」

 「そっか。子供は?」

 「いる。二人。」

 「そう。俺と同じだな。」

 「ごめん。黙ってて。」

 「いいよ、俺聞いたことなかったもんな。」

 「うん・・・」

 「のんのの声があまりに可愛いかったから、勝手に独身だと思ってたんだ。」

 「私も否定しなかったし。ネットで個人情報を言うのもどうかと思ってて。」

 「そうだよな。まだ俺の事信用してなかったんだね。」

 「違うよ。そういうことじゃなくて。」

 「いいよ、いいよ。気にしてないよ。」

 「ほんと、そういうことじゃないんだよ」

 「わかってるよ。気にしないで。結婚してても子供がいても

 のんのがのんのだって事は変わらないんだし。」

 「うん、ありがとう。」


 何となく気まずいまま、それでも何故かボイチャセックスだけはして

その日はメッセを閉じた。