--------------------------(写真はα-7Limited)-------------
 ミノルタのAF一眼レフはSiシリーズ以降、全機種内蔵フラッシュを装備している。フラッグシップ機のα-9に内臓フラッシュが搭載された当時は、私も含め否定的な意見も多かったが、ワイヤレスフラッシュ撮影時のコントローラーの役目も果たすミノルタの内臓フラッシュは使用すると便利であり、最終的には多くのユーザーに認められた。

 α-7DIGITALでも内臓フラッシュは健在で、フラッシュ光をレンズでけられにくくするために従来よりも発光位置を高く上げる工夫をしている(実際にはα-70から工夫されているようだ)。しかし、そのために一部ユーザーで評判であったフラッシュディフューザーが使用できなくなる等の残念な点もある。
 また、α-7やα-9ではMINOLTAのメーカーロゴが見えていたのだが、α-7DIGITALでは、KONICAMINOLTAのロゴもフラッシュ部の一部として一緒にポップアップするように変更されている。(この工夫でフラッシュ発光位置を高くできるのだが)個人的にはポップアップ後のメーカーロゴのないフロントビューがいまいちなので気に入っていない。また、ボディ前部には金属外装を採用しているものの、フラッシュカバー部はプラである点も、少々残念である。

 そして、このフラッシュになって困ったことは、ペンタ部のロゴの部分に物が引っかかって不用意にフラッシュが上がってしまうことだ。α-7DIGITALの内臓フラッシュは手動で持ち上げるタイプである。これは勝手にポップアップしない、ポップアップさせると強制発光できるなど、ユーザーがフラッシュの使用を決められる非常にシンプルな機構で良いと思っている。
 しかし、α-7DIGITALではメーカーロゴの部分が発光部側にあるために何かと引っかかりやすく、また、フラッシュ部の作動テンションも軽いためにすぐにフラッシュが上がってしまうのである。これは多少フラッシュ高が低くなっても、α-9のようにすれば解決すると思うのだが、メーカーロゴを含めて改善してもらいたいところである。

 フラッシュ照射角度

 カタログ上はレンズ表記で24mmレンズをカバーするとなっているが、私が使用したかぎりでは、20mmレンズでも十分カバーされており、内臓フラッシュとしては実用上問題はなく、室内撮影で重宝している。また、未確認ではあるが、17-35ズームでもフードを外し、撮影距離をある程度保てば、フラッシュ光がけられることなく、実用になるという情報もあるので知っておいて損はないと思う。当然、周辺減光量の許容範囲には個人差があることは認識していただきたい。
 しかしカタログスペック上、このフラッシュ照射範囲を控えめな24mmにしてしまうあたり、ミノルタらしい名残が感じられ、うれしいやら何やらである・・・。