母の補聴器が湯舟に合計3度も沈んだ件ですが、
故障しなくて、よかったです。
入浴前に補聴器装着している利用者かどうか、
当たり前のチェックを当たり前に行ってない施設。
こんなに豪華な入浴場を完備しながら、
やってる事はお粗末すぎるのです。
実際に湯舟の中にざぶんと落ちたのは3回でも、
きっと装着したまま風呂場で気づいて
はずしたケースは、もっとあったに違いないと思ったりします。
ちなみに補聴器の装着方法については、
こんなパネルを作って、
母の部屋に掲示していました。
補聴器には色々な形もあるだろうし、
装着も慣れないと、
左右逆に着けられる事もあり。
そんなわけで
(私は母の入院時の病院にも施設にも)
一目で装着がわかるように
A4のパネルをラミネートして、
部屋に掲示していたのです。
そうそう、この頃は、
まだコロナ渦中ではなかったため、
私はほぼ毎日のように施設を訪ねて、
母に面会していました。
大抵は夕食時に行って、
他の利用者さんともお話して、
皆さん私が来るのを楽しみにしていてくださる
楽しいひと時でもありました。
そのあと、母の就寝時のパジャマの着替えと
洗面を行ってから帰宅していたのです。
少しでも手伝いたい気持ちと、
1日の最後に娘の顔を見せて眠ってもらいたい
そんな気持ちからでした。
時には、午前中や、
昼間に行く事もありました。
そしてある時期から、
母のユニット個室の洗面所に置いてある
補聴器収納ケースがいつも蓋が全開になってる事に気づきます。
補聴器のケースは、
一般的にこういう容器になっていて、
中に乾燥材が入っています。
一時保管の際や、就寝時にはずす方は、
電池をはずしてから、この容器に入れ、
蓋をしっかりしめて、
乾燥させるのです。
精密機器に、使用者の汗などの湿気は大敵ですから。
また、補聴器の電池は、
良く持って4日~5日。
空気電池ですから、電池を入れたままにすると
放電し、さらにアラームもなって
ますます電池は消耗します。
電池自体も決して安いものではありません。
ですから、本来は電池を完全にはずして、
キャップのところにこのように置く事で↓
電池の消耗を防ぎます。
この収納ケースの蓋が、
いつも全開で空いたままになってるのです。
それだと乾燥材が湿気てきます。
このケースに入れる乾燥材も特殊なものですから。
たまたま締めわすれたのかなぁ。。。
と思いつつ、
蓋を締めて、母と会話をして帰宅。
そして次の日も、その次の日も、
母の個室に行くと、ケースの蓋が全開です!
これを気づく人がいないのか?
補聴器収納ケースに限らずね、
蓋って、
しめるためにあるんすよ。
ていうか、補聴器って扱いが
とってもデリケートなもので、
守ってもらわないとあかんのですよ。
朝に洗面、
日に何度かのトイレ介助、
夜に洗面、
何度か必ずヘルパーの人、
母のお部屋に入ってるよね?
そこでこれ見て、蓋閉める人が一人もいないの?
見て気づく人がいない?
そう、みんな見て見ぬふりする人ばかりなんです。
この先に書く記事で、たぶん解ってもらえると思いますが。。。
いつもは溜飲する自分でも、
補聴器の事ですから、
ここは改めてもらわねければと思い、
1人の介護ヘルパーを部屋に呼んで、
ケースの状態を見てもらいました。
「これね、来る度に蓋が空けっぱなしになってるんですよ。
これは補聴器を乾燥させる大事な収納ケースで、
こんな風にされると、
乾燥材が効かなくなっちゃうんです。
来る度にしめて帰ってるんだけれども、
次来たら、またこうなってるんです。
皆さんに、蓋を1回1回しめてもられるように、
伝えていただけませんか?」と。
対応してくれた介護士は
いつも率先して動かされている男性介護士で
おだやかな性格の人でした。
「す、すみません。気を付けます。
皆に伝えておきますので。」と
平身低頭に謝ってくれました。
その方が部屋を出たあと、
私は早速、ケースに油性マジックの黒で、
ケースの容器と蓋それぞれに
『開けたらしめてください!
乾燥材が効かなくなります!』と
書いておきました。
これを書いてから、いささか
だらしない誰かさん達は蓋を締めるようになりました。
しかし、施設に来ては、
飽きれを通り越した事象に驚いてしまう事が、
必ず1回はあるのでした。
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私も母がアルツハイマーで
認知機能が低下するまで、
同様に補聴器の事は
ほとんど扱いを知りませんでした。
しかし母の足腰が弱って
補聴器センターに同行するうちに、
担当者から詳しく説明を受けるようになって、
初めて、こんなに補聴器って
手入れが必要なんだと驚いた経緯があります。
この特養は3階建てで、
1階のフロアが母と同じく、
ショートの方、ロングショートの方用でした。
2階から3階が永久入所の方々のフロアです。
永久入所の方々は身内が頻繁に面会に来られる方も少なく、
ほとんどが介護士と看護師がお世話してると思いますが、
補聴器の扱いをどこまで行っているかは、
母の収納ケースの事を見ても想像できます。
補聴器の電池替え、
補聴器の耳垢詰まりの掃除、
放置されてままかもしれないな・・・と。
高齢者を介護する専門家は、
せめて補聴器における基礎知識を
外部から招いて学ぶ機会をもつべきだと切に思います。
なぜなら、聴力の維持は
利用者のQOLにおけるもっとも大事なものだからです。