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適当に思ったこととか告知とか書くやつ

Amebaでブログを始めよう!

「―――――――そーゆーことで、私の能力は『プラグ』がないとイミないワケ。」

 

…しまった、彼女が何を言っていたのか、まったく頭に入ってこなかった。

 

「…ちょっと、ちゃんと聞いてんの?」

 

「は、はい」

 

なにか突拍子もないことを聞いていた気がする。

 

「手、出して」

 

急に声をかけられて体が跳ねる。顔を引きつらせたまま自分の右手をゆっくり差し出した。

 

「そうそう、ちゃんとできんじゃーん」

 

そう言うと彼女はこの右手を彼女の左手で包み込んだ。

 

…いや、自身の左手に『差し込んだ』んだ。

 

私の中指と人差し指が、彼女の手のひらに食い込み、埋まっている。

 

瞬間。

 

繋がった指先から全身を突き刺すような痛みが襲った。

 

体が痺れて、声が、出ない。

 

「――――ッガッ―――――――?!」

 

「あーあ、ちゃんと話聞いてないからァ。言ったでしょ?」

 

私の顔を覗き込み、にやにやとして様子を伺う。

 

「あんたが『プラグ』。私が『コンセント』。充電、貯めといてねェ。」

 

そういうと私の右手を離した。

 

全身を血液じゃない何かが駆け巡っている。

 

「ったくしょうがないなぁ、改めて自己紹介したげる」

 

 

 

「『コンセント』。ま、あんた専用のヒーラーってとこかな」

 

 

 

 

 

お借りしました↓

ririmiさん、「コンセント」とはどんな能力ですか? shindanmaker.com/684679

斜め前の席。

 

僕の好きな彼女が座っている席。

 

授業中でも彼女を視界に入れてくれる、僕の特等席。

 

彼女が授業中どんな仕草をして、どんな表情をしているのか、

 

こっそりと見ているのが、僕の日課だった。

 

「ねー、次の授業なんだっけ」

 

「総合だよ、席替えだってー」

 

彼女の声が耳に届いた。

 

「でも私、早く席替えしたいな~」

 

少しにやけた顔で彼女がそう言った。

 

ふわりと漂うその髪が、彼女を自分から遠ざける何かによく似ていた。

 

ああ、きっともう、たとえ彼女に近づけても、僕の特等席はないのだと思った。

 

 

 

 

 

斜め前の席。

 

私の好きな彼が座っている席。

 

授業中でも好きなあの子を見ていられる私の特等席。

 

前は近くにいても、遠いようだった。

 

やっと、彼に近づけた気がした。

 

 

席替え。

朝が来た。

 

眩しい光と焼けた砂の匂いがした。

 

「おはよう」

 

「おはよう」

 

母が私を見てそう返した。

 

「あんた、今日から高校生でしょ。シャキっとしなさいシャキっと」

 

4月9日、火曜日。

 

カレンダーの日付を見て、そこに書かれた文字に新鮮さを覚えた。

 

『入学式』

 

実感はないが、新しい出会いに心を躍らせていた。

 

新しい友達ができるかな、とか

 

新しい先生と出会えるかな、とか

 

そんな他愛もないことを考えては、口角をふっと上げた。

 

「じゃあ行こうか」

 

父が私たちが準備できたのを見て、そう言った。

 

私の目の前には眩しいほどの希望が満ちていた。

 

 

 

2ヶ月後、

 

わたしの体は水浸しであった。