




羽生選手は、スケーティングスキルの練習とは別に、更に大きな課題をオーサーコーチから与えられていました。







それは精神面で大きく成長する事。







若さに任せた演技ではなく、大人の演技への脱皮を求められていたのです。

オーサー
「彼は今、“青年”から“大人”になりつつあります」

「それに合わせてスケートも大人らしい滑りにしなくてはなりません」
「ごく自然にね」


オーサー
「ジャンプの前のターンをやって見せて。もう少し穏やかな感じで」

オーサー(回想の声)
「少しずつ彼の性格が分かって来ました」

オーサー(回想の声)
「以前は彼をドラマチックなスケーターだと思っていました。カリスマ性のある情熱的なタイプだとね」

オーサー(回想の声)
「でも彼にはもっと落ち着いた面もあるのです。そうした面も表現して欲しいと思っています」

オーサー
「彼の情熱的な面は維持しつつ、新しい面を発展させたいのです」
「でも、それは彼が自分で見つけなくてはなりません」

オーサー
「人生の経験がその助けになると思います」
(*この次のパートはだいぶ以前に抜き出して記事にしています。
『17歳に与えられた課題』というタイトルです。
次の記事に、タイトルを『アスリートの魂⑥(課題)』と変えて置きます)
☆☆☆☆☆☆
オーサーコーチは、羽生くんに“青年”から“大人”への脱皮を求めています。
でも、私はこの時点で羽生くんは自身を“青年”と考えていなかったのではと思います。その一歩手前の段階、少年と考えていたのではないでしょうか。
少年から大人になるのでは階段を飛ばし過ぎる。
だからもう少し降り幅を小さく、少年から青年への脱皮にしようと考えた。
羽生くんが“大人”を意識したのは、自身が二十歳になる2014ー2015シーズンからではないでしょうか。
別記事にも書きましたが、当時のファンは、悲愴やロミオをやっていた羽生くんのイメージの継続を望んでいましたから、羽生くんが急激にイメージチェンジしないでいてくれた事をずいぶん喜んだと思います。
その点は、羽生くんが自己のイメージを明確に捉えていて、セルフプロデュースの能力に長けていると感じます。
これは表現者として欠かせない資質です。
♣♣♣♣♣♣
昨日、ファンタジー・オン・アイスの神戸、長野の欠場が発表されましたね。
羽生くんは神戸まで一週間と言うギリギリまで、出演の可能性を考えてくれていたのでしょう。
今年はとても残念ですが、一番残念に思っているのは羽生くんですよね。きっと同じように寂しく思っているはずです。
今は足が治る事が最優先です。
ファンとしては辛い時、病める時にはその痛みを共に耐え、温かい気持ちで見守りたいと思います。
羽生くんが笑顔でいますように。
早く笑顔が見られますように。
(ノω・、)