本格推理小説の雄、島田荘司(しまだそうじ)先生が創られた

名探偵「御手洗潔(みたらいきよし)」。

初めて読んでから、何年もたちますが、ずっと、私のヒーローです。

彼の登場する第一作は「占星術殺人事件」。このときはまだ、占星術師としての

活動が主でした。それから、警察も匙を投げだすような奇妙な犯罪をいくつも解き明かし、

横浜の馬車道に探偵事務所を構えます。

しかし、ある日突然北欧に行き、今では脳科学者として北欧の大学で研究をしています。

彼の活躍は、親友の石岡和己氏が、ワトソン役として小説にしています。

 

御手洗さんの魅力は…、頭がよすぎるせいか、なんでも真実をついたことを

口にしてしまい、最初は傍若無人、失礼な奴と思われるのですが、実は先を見通していて、

必ず、弱い立場の人の味方になるところでしょうか。

音楽にも才能があり、ギターの演奏はプロ級です。

推理に関しては天才なのに、生活は破天荒で、同居している常識人の「石岡君(御手洗さんが石岡氏を呼ぶ時の呼び方)」が、食事から整理整頓から依頼人の対応まで引き受けています。

鋭い推理のひらめきを見せながら、おちゃめで、憎めないところも魅力です。

そして、石岡君との絆…今は北欧と横浜で離れて過ごしていますが、二人の冒険がまた見たいです。

とある事件で知り合って、その後ハリウッドのスターになった松崎レオナという登場人物が、御手洗さんに切ない片想いをしているのですが、御手洗さんは彼女の気持ちに応えません。ただ、彼女を励まし、「世界のどこにいても、君を救いに行くよ」というのです。もうそれで十分!その言葉だけで生きていける!なんて、レオナさんになった気持ちで喜んでしまいます。

 

今、「星籠(せいろ)の海」というタイトルで、玉木宏さんが御手洗役を演じた

映画が公開されています。島田先生は、御手洗さんを日本人で演じられる役者が

いないという理由で、ずっと映像化を断っていらっしゃったのですが、玉木さんが大河ドラマで坂本龍馬を演じたのを見て、「彼なら御手洗役ができる」とOKを出したそうです。

玉木さんの御手洗さん、とても素敵ですよ。おちゃめなところはあまり見られないですが…

この映画には、石岡君は電話口で声だけの出演ですが、1年ほど前にドラマ化されたときは、Kinki Kidsの堂本光一さんが石岡君を演じていました。

 

短編集「御手洗潔の挨拶」「御手洗潔のダンス」が読みやすく、お勧めです。

他に、御手洗さんと石岡君が出逢った「異邦の騎士」、レオナさんが出てくる「水晶のピラミッド」「アトポス」、あとは、昭和時代に、若い御手洗さんと石岡君が、けなげな小学生の女の子を助ける「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」が個人的に大好きです。