キャラクターは、今時日本アニメ風の平面デザインで、見たいとは思わなかったのですが、あまりにも大ヒット中なので、アニメファンの私としては大スクリーンで見ておかないとなーということで、映画館に足を運んでみた。
ハラハラドキドキな展開は非常によく、楽しめたよ。
世間の評判がいいのは、大ヒットした分、普段、映画やアニメを見ない人が見ているんだよね。さらっと見るには「わぁ、おもしろかったね」でハッピーになれる映画です。10代にも評判いいと思う。
私はけっこう不服ありです。
映像美が褒められていますが、そうか?確かにリアルで細部まで表現してあるけど、他のアニメと比べ美しさが突出しているというわけでもないしなぁ。
以下ネタバレです。
遠く離れた場所に住む高校生男女の心が入れ替わる話しなんだけどさ、どうしてこう、日本の男性アニメ監督は人間ドラマ部分がへたくそなんでしょう。シン・ゴジラはそこんとこばっさり切ってたんで、とってもよかったんだけど、この映画は男女の恋愛が基軸になっているので、気持ち描写は避けて通れない。好きになったなら、相手のことを知りたいと思うのが常のはずなんだけど、相手に関することをあんまり知ろうとしていない。住んでいる町の名さえわからないって、これはちょっと無理ありすぎ。
主人公の女の子は手芸が得意な女の子っぽい女の子で、巫女さんである。中学生男子が大好きな感じである。そして、やっぱり、エロいお姉さん登場だ! 主人公男子のバイト先の大学生?だけど、この人要りますか?
主人公男子は最初、このお姉さんが好きなんだけど、いつの間にか主人公女子が好きになっている。ホント!いつのまにか!だよ。そういった恋心の描写は全然なく、セリフによる説明で、あー好きになったのねって感じだ。
男子が女子の体に入れ替わるたびに胸をもむ描写が入るんだけど、1回で十分で、後は不快だったよ。胸の触り方も、好きな女の子に触っているって感じじゃなくて、ただのお笑いシーンとして描いている。その反面、ヒロインの方が触ってるシーンはないんだよねー。1度だけ、びっくりして困惑するかわいいシーンがあるだけ。
日本アニメにありがち、男目線でしか描いてないんだよね。現場は男ばかりなんだろうなー。
アニメの魅力って絵が動くってとこなんだけど、そういう意味ですごいと思ったシーンはなかった。隕石が落ちるシーンはアニメーターの見せ場だったろうに、あっという間に終わって、がっかりだったよ。ジョン・ラセターや宮崎駿だったら、絶対やり直しさせてただろうなぁ。
それから、歌がうるさいよ!歌詞つきの音楽がこんなにじゃまだと思ったことはなかった。映画のシーンを大切にしての音楽選択だとはとても思えない。
後半の演出は歯切れよく、ドキドキさせる展開はとてもよかった。そこはすばらしかったよ。
深い感動というのは味わえないけど、十分に楽しめる娯楽作品になっています。
世間の評判は良すぎるけどね。
こういうのはやっぱり大画面で見ないとね、ってことでIMAXで見て参りました。邦画はほとんど映画館で見ないので、久しぶりのキラキラ東宝マークでした。監督はエヴァンゲリオンの人です。
ゴジラってハリウッド版も合わせて、いろんな種類が作られているけど、今回のシン・ゴジラはね、第1作目の恐ろしい大怪獣に、得体のしれない不気味さが加わった感じです。
ちょっとネタバレあります。
映画始まると、すぐに東京湾に異変が起き始める。どうやら巨大な水棲生物のようだ。しっぽだけが海面から突き出て、触手のようにクネクネとしている。
そいつが背中だけ見せ、ぶるぶる体を震わせ、多摩川河口から溯上してくる。化け物に押されて、道路に沿って、がれきを含んだ水が住宅地に押し寄せてくる。誰もが、東日本大震災の津波を連想したはず。これから、大災害が起こる予兆に満ちていて、とても怖い。
体の一部分だけ見せる正体不明の演出がすごく効いている。
その後上陸して、化け物の全貌が顕わになるが、不気味さは消えず増すばかりで、怪獣パニック映画としては最高の出だしだと思う。
なんといってもこの映画の見所はゴジラとの戦闘シーンです。
ゴジラ対自衛隊とか。自衛隊の全面協力?なのかな、大変な迫力です。
ゴジラ対米軍ステルス機とか、ゴジラ対××とか、ゴジラの出ている特撮シーンはおもしろいよー。
びくともしないゴジラの強さが見ていて爽快です。
ゴジラの強さをさんざん見せつけた後に、えーそんなんでゴジラやっつけられるのかよーってつっこみ入れたくなるシーンも出てきちゃうんだけどー。もうちょっとゴジラ退治にリアリティが欲しかったかなー。まぁ、そこは目をつぶれるとこだけどね。ちょっと残念だった。
さて、人間ドラマの方はどうかといいますと、ほとんどない。これがすごくよかったと思う。
ゴジラ対策のための手続き会話は長く続くよ。自衛隊どうするーとか、米軍の協力はーとか、国連はーとかね。
主人公は政府の高官(長谷川博己)で、無機質なアニメキャラみたいです。長谷川博己ってなんか結晶みたいだよね。
親子愛とか、友情とかパニック映画に出てきそうな人間ドラマはありません。
その辺バッサリ切り取られていて、すがすがしいです。
ゴジラ対策班のため家に帰らず、お茶をいれてくれたり、おにぎりつくってくれたりするお手伝いさん?役の片桐はいりだけはやたら現実感がありました。
ちらっとしか出てこない片桐はいりを除いて、この映画、女性がすごくうすっぺらい。目立つ役は、防衛大臣(余貴美子)とゴジラ対策メンバーの生物専門家(市川実日子)、大統領特使の日系アメリカ人(石原さとみ)の3人。どれもパターン演技に終始している。これは彼女達の演技が下手ってことではなく、演出通りに演じたんだろうなぁって想像できる。
余貴美子は防衛大臣で、表情がなく、どすの利いたしゃべり方がかっこいいんだよっていう、なんかロボットアニメに出てくる女性の上官っぽい。
市川実日子も表情のない専門家オタクキャラで、早口。
日系バイリンガル役の石原さとみの他の演技を知らないから、確かなことは言えないけれど、このひどさって、石原さとみではなく、演出にあるんではないかなと私は思っている。庵野監督は生身の人間の特に女性の演出ができないと思う。
だから、人間ドラマ入れないのは大正解だったのに、なぜに石原さとみの出番を多くしたんだろう。
できる女風ステレオタイプ演技がまぁーー醜かった。両手を広げて困ったという動作とか、とってつけたような欧米動作で、よくこれでOK出たよなー。しかも、この役、別になくても、たいして話に影響しないんだよなー、なのに出番は多く、主人公とやたらからむ。だからと言って恋愛モード発動するわけでもなし。(したら最悪だったけど)将来のこととか語るシーンなんて、すげーうすっぺらい。
首相(大杉漣)とか総理大臣補佐官(竹野内豊)とかの演技は普通なのにね。
と、まぁ演技演出には不満もあるけど、野村萬斎はすばらしかった!
エンドクレジットに野村萬斎の名前が見えたんだけど、覚えがない。あんな個性的な声と顔は絶対見過ごさないのに何の役だったの?
なんとゴジラでした!!
モーションキャプチャーで萬斎の動きをゴジラに取り入れたということだけど、あの不気味な動作は狂言でしたかー。大成功だと思う。
不満もあるけど、ぜひ大スクリーンでゴジラの恐ろしさを堪能して欲しい映画です。見なれた街が破壊されていくのを見るのはハリウッド映画では得られないカタルシスです。
ファインディング・ニモの続編と言われてるけど、主人公はドリーだし、まったく別の話になるのかなと思っていたところ、これがしっかり続編でした。見に行く人は、ファインディング・ニモをまず見ることをお勧めします。
ネタバレちょっとあるよ。
個性的なキャラクター達
客観的に言えば、前作程の完成度はない。私は好きだったけど、ちょっとやり過ぎな部分も確かにある。
でも、ピクサーらしい笑いあり、涙あり、アクションあり、ハラハラドキドキありのすばらしい映画になってました。
今回も様々なキャラクターが登場し、それぞれがやっぱり魅力的で、よくできてるよねー。毎度感心するよー。
「私はドリー、なんでもすぐ忘れちゃうの」
ドリー声:エレン・デジェネレス 室井滋
ベビードリー声:スローン・ミュレー 青山らら
上記のセリフは冒頭、赤ちゃんドリーが言うセリフです。(日英語ともに、幼い女の子の声で、超絶かわいい) 英語の方ではこのセリフが
“I suffer from short term memory loss.”となっていて、病気あるいは障害なんだっていう意味合いが日本語よりも強く出ている。
Yahooのユーザーレビューを読むとね、ドリーにイライラしたって感想が結構多いんだよ。これはきっと、バカな登場人物にイライラする私の気持ちのようなもんだろう。
ドリーにイラつくか、そうでないかが、この作品評価にすごくかかわっているように思う。
私がドリーの忘れん坊ぶりに笑ったり、ハラハラしたりしているときに、イライラしてちゃあこの映画は楽しいものじゃないよなー。
忘れん坊のせいで謝ってばかりいるドリーにマーリンが「ニモを探せたのはドリーのおかげだ」って礼を言うシーンがある。いや、本当にドリーなしには不可能だったよね。「そんなふうに思っていたなんて」って、びっくりしてしまうドリーが愛らしいです。
この映画は「ドリーが家族を探しにいく話」と簡単に説明もできるけど、ちょっと待て、タイトルは「ファインディング・ドリー」なんだよね。
これはドリーがドリー自身を見つける物語なんだよ。ありがちテーマだけど、あなたはあなたであってすばらしいというメッセージには感動してしまう。
ドリーがドリーらしく行動した時のその後のシーンは落涙度100%です。
うまいなー、本当にうまいよー泣くしかない演出だよー。
声の出演は前作に引き続き同じです。日英両方見たけど、吹き替えでもなんら問題ないです。マーリン役の木梨憲武もよかった。ドリーの室井滋はドリーそのものです。はまり役です。
新キャラではタコのハンク役の川上隆也(英語:エド・オニール)が秀逸です!
ハンク自体非常に魅力的なキャラで、タコのスーパー能力をアニメ的にデフォルメしたのがすごくよかった。タコって忍者だよねー。
今回の技術革新はハンクの触手だよね!みごとな動きでした。
よくね、声優はプロの声優にまかせるべきっていう意見を目にする。私はアニメファンだけど、この意見には全面的に反対。これからも、ピクサーやディズニーには声優、俳優問わず良いキャスティングをしてもらいたいな。 (川上隆也といえば、「花咲舞が黙ってない」の第3シリーズやって欲しいなー。)
こんにちは、八代亜紀です。
そして!八代亜紀が八代亜紀本人の役で出てます。舞台となる海洋生物研究所のアナウンスをしているんですよ。これ大好き! ドリーが「八代さん、八代さん」と話しかけるたび笑える。でも、あんまり評判はよろしくないみたい。
これは英語版ではどうなってんじゃろって思ってたら、シガニ―・ウィーバー(アバター、エイリアン等々)だった! おもしろーい。
有名俳優が博物館などで、ナレーションをしているっていうのよくあることみたい。私がアメリカ自然史博物館に行ったときはダスティン・ホフマンがプラネタリウムで解説してたよ。
各国の吹き替え版もその国の著名人が声を担当しているそうだよ。日本語版での八代亜紀って最高の人選だと思うんだけどなー。
ちょっとwikiで調べてみたら、中国語版ではジャッキー・チュン(ジャッキー・チェンじゃないよ)だった。こっちも超有名人だよ。
日本語版のエンドクレジットでは八代亜紀が歌う極上“unforgettable”が聞けるよ。
監督はアンドリュー・スタントン、アンガス・マクレーン
アンドリュー・スタントンは脚本にも関わっています。
ピクサーアニメの最高傑作
悲しい冒頭シーンからハッピーエンドに至るまで、何一つ無駄がないストーリー展開と、ちょい役に至るまでのみごとなキャラクター設定、ピクサーの最高傑作がこれ、ファインディング・ニモ!
ファインディン・ドリーを見る前に、前作ファインディング・ニモについて少し書きたくなったので、ここにニモの魅力を書いておく。
題名はニモだけど、主人公は人間に連れ去られたニモを探しに行くお父さん、マーリンの方なんだよね。 障害を持って(右ひれが小さい)生まれたニモにマーリンは必要以上に干渉してしまう。 それがニモにはうるさくてしかたがない。
「パパなんて嫌いだ」と、ついにニモが言ってしまうシーンは、父親として息子を守りたいマーリンの気持ちも、自分でやりたいニモの気持ちも両方とてもよく伝わってくる。
あぁ、パパは心配なんだよ。と父親の気持ちになりつつも、そんなこと言われちゃムカつくよね、と同時にニモに同情もしちゃう。
ニモが連れ去られてしまうシーンにもこの親子関係がきっかけとなっていて、もうホントここの場面うまいんだよね。
ニモは連れ去られ、シドニーで人間の水槽で飼われることになるんだけど、そこには先住の魚達がいる。 中でも印象深いのが、右半身に大きな傷跡があるギルという熱帯魚だ。
「僕は障害があるから。」と言って尻込みするニモに対し、ギルはぐるりと体をまわし、傷ついた右半身を見せながら「それがどうしたんだ。」って言うところ、好き。 ギルがニモの心の成長に大きく関わっていくところ、いいよねー。
一方、マーリンにも旅の道連れができる。それが青いナンヨウハギのドリー。 ドリーは今聞いたことも忘れてしまう程の忘れん坊で、ニモの名前さえ覚えられない。
この映画を見た後、だれもがこのドリーのことを話し、思い出し笑いをしたこと間違いない! ピクサーアニメ史上屈指の名キャラクターである。 声優さんの演技も英語版(エレン・デジェネレス)も日本語版(室井滋)もすんばらしい! クジラ語には大笑いでした。
ドリーがマーリンにとっての旅の支えになっていき、今までの親子関係を見直す重要な役割を果たして行くんだけど、ドリーは何も説教めいた事など、もちろん全く言わない。
まぁ、こんな風に、この映画の大きなテーマは親子関係なんだけど、そういうメインテーマなしにしても、すごくおもしろい。
人気者になりたいサメ3匹とか、集団でネオンサインみたいに動くイワシ?とか、カモメのうるさい集団とか、歯医者のオヤジとか、どこをとってもおもしろい。 どこをとってもだよ!?
ピクサースタジオでの映画の作り方を以前見たことがある。 円卓を囲んで皆自分の意見を言い合う姿はうらやましかった。 これが隙のないピクサーアニメの脚本の源なんだなー。 他の映画の製作チームまで混ぜて、客観的な意見をどんどん言いあう姿って、いいなぁ。
日本ってチームワークが得意とか言われているけど、チームワークの質が違う。 トップが決めたことを皆でやっていくのが日本型なんだな。 全員がアイデアを出し合って皆で作り上げていくっていうチームワークは実は日本人は苦手だよね。
ピクサーのトップ、ジョン・ラセターは偉大なリーダーだよ。
監督はアンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ
アンドリュー・スタントンは最新作「ファインディング・ドリー」でも監督と脚本に関わっています。