義君の教室からの帰り道、明日提出する課題で分からない所あった事を思い出した。
いつも分からない所は義君に教えてもらってから、今回も義君にお願いするつもり。
今日、塾が終わってから行ってもいいか確認するのを忘れちゃった。

約束を取り付けるべく、クルリと方向転換し義君の所へ逆戻り。
廊下で義君と友達を発見。
どうやら移動教室らしく、教科書をもって特別棟へ歩いて行く。
慌てて追いかけてたら、廊下の曲がって階段を下りている義君たちはワイワイ楽しそうに話している。

「ヨシ。さっきの1年生だれ?まさか、彼女とか言わないよな?」

髪の毛をツンツンに立てている先輩が、からかう様に義君に話しかけている。

(さっきの・・・って私の事だよね・・・)

何となく、声を掛けづらくなる。

「梨緒奈のコト?てか、まさか、ってどういう意味」

「いや。あんな地味な子が彼女なのかって思って・・・」

義君の言葉が少し怒っている様に聞こえたのか、ツンツン頭の先輩が言い訳の様に話している。

「幼馴染み。妹みたいな子だよ」

「俺、あの子知ってる。友達がメチャ可愛いんだよ。
1年じゃ、有名だよな。七不思議の1つだって」

義君の右隣にいた他の先輩も話だす

「なんだ、幼馴染みかよ。俺、お前がB専かと思って焦ったよ。
 でもさ、幼馴染みって言っても、もっと可愛い子がいいよな」

「確かに。もしヨシがB専だったら、もったいね~よな。モテるのに」

「やめろよ。梨緒奈はブスじゃないぞ。少し地味かもしれないけど・・・」

友達が笑っているのを義君が遮る。

「それに梨緒奈は彼女でもないし、見た目なんて梨緒奈の好きな様にしたらいいんだ」

ショックだった。

義君の友達に笑われた事もだけど、
自分でも分かってたけど、
義君に『地味だ』って思われてた事がショックだった。

義君に話しかける勇気がでなくて、走って逃げた。
走りながらも先輩たちの笑い声と、
「ヨシ、それって彼女じゃないから興味ないってこと?」
そんな声が私を追いかけてきた。


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        日常に満足している陽菜と、遊び人で本気で恋する         事を知らない颯太。
         そんな二人が出会って、恋する王道ラブストーリー
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