うわ~初めて間近で裕子先輩見ちゃったよ。
近くでも見ても、美人だなんて本物の美人さんなんだ。

「どうしたの?このクラスに用事?」

心の中でキャーキャー興奮している私に、裕子先輩は優しく話しかけてきた。
勢い良く頷きながら、ここは裕子先輩に義君を呼んで貰うことにした。

「えっと、義君に用事があって・・・」

「よし君?」

いつもの癖で『義君』って言っちゃったから、
少し首を傾げる様に裕子先輩が聞き返した。

「えっと、尾鷲先輩です」

慌てて訂正する私を、裕子先輩はチラリと見た。

「尾鷲君ね。ちょっと待っててね、呼んでくるから」

裕子先輩はスタスタと義君の所まで行くと、
私の方を指差してながら義君に話している。
私に気付いた義君は、笑顔のままこちらに近づいてきた。

「梨緒奈がこっちに来るなんて珍しいな。何かあった?」

「違うよ~義君、今朝お財布忘れちゃったでしょ?おばさんに頼まれて持ってきたんだよ」

「そうだっけ。気付いてなかったや。わざわざ持ってきてくれてありがとう」

義君は笑顔で私の頭を撫でてくれた。

えへへ。
義君の教室に行くの嫌だったけど、頑張った甲斐があったよ。
やっぱり、義君はカッコイイな~

「じゃあね。義君、塾頑張ってね」

手を振って教室に戻ろうとした時、教室内にいる裕子先輩と目が合った。
さっきのお礼も兼ねてペコリと会釈をすると、
ニッコリ笑って手を振ってくれた。

はぁ~裕子先輩とまでは言わないけど、
私も裕子先輩みたいだったらな~
義君は外見じゃないって言ってくれたし、私もそう思うけど憧れちゃうな。

そっか。
でも、裕子先輩って義君と同じクラスなんだ。

義君と同じクラス・・・
いいな~いいな~
私には、一生無理なことだもんね。
何で2年早く産まれなかったんだろう・・・


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        日常に満足している陽菜と、遊び人で本気で恋する        事を知らない颯太。
        そんな二人が出会って、恋する王道ラブストーリー
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