このまま渡辺さんと疎遠になれたらいいのだけど、たぶんそう簡単にはいかないだろう。
とりあえず鍵を返してもらえたのでそれだけは良かった。同僚さんに感謝だ。
飲みに行くって言ってたから今日はここには来ないだろう。
同僚さん達に説教でもされてるのかな。
でも絶対自分は悪くないと言い張ってそう。
渡辺さんって、仕事はちゃんとしてるのかな。
どう考えても会社で役に立ってるとは到底思えないんだけど。
私も反省した。
何故こんなにも男性を見る目がないのだろう。
もう懲り懲りと言いながらも毎回似たようなクズを受け入れて、しなくてもいい苦労をしてしまう。
不幸中の幸い、家は知られてるけど保育所や職場は知られていない。会社に突撃されることはないだろう。
息子と2人でご飯を食べ、お風呂に入って布団に潜り込む。
なんて幸せなんだ。
もうこの子さえいてくれればもう何もいらない。
電気を消そうと、最後にスマホをチェックした。
するとLINEが来ていた。
「分かってるよ。同僚がいたからあんな態度だったんだよな。大丈夫、怒ってないから。」
ふぅ‥‥
