もしかしたら父に借金があって気を利かせて相続放棄するように言ったのかもと思った。
しかし、どう考えても母はそんな善人ではない。
電話で言われたことを思い出してみる。
1人で生きていかなきゃならないとか、引っ越すって言ってたから家はきっと売却したのだろう。
ようは1円たりとも私には渡したくないのだ。
このまま放置してやろうと思ったけど、また連絡来てぎゃあぎゃあ言われるのはごめんだ。
言われた通り、自分で調べて謄本を取り寄せ手続きをした。
もう母に会うことはないだろう。
最後の最後に電話でこう言った。
私「相続放棄の手続き済ませたから。」
母「そう。要件はそれだけ?」
私「ひとつだけ約束して。今後あなたが病気になっても私を頼らないで。」
母「何を言い出すかと思ったら、とんだ親不孝者だ。分かったよ、二度と会うことはないから。」
私「今の言葉忘れないで。ちゃんと録音してあるから。絶対私に連絡してこないで。」
母「はいはい、分かりましたよ。」
ここで連絡先をブロックし削除した。
母にとって私はなんだったのだろう。
もういいや。
前を向いて歩きだそう。
私には息子がいる。もうそれだけで充分だ。