母があっけらかんとこう言った。
母「お父さん死んだから、あんたは相続放棄の手続きしといて。」
私「え?いつ亡くなったの?」
母「先々月。もう四十九日も済ませたから。ぼやぼやしてると放棄できなくなるからすぐにしてね。」
涙が溢れた。
私「どうしてお葬式に呼んでくれなかったの?」
母「あんたが出て行ったきりなーんにも連絡よこさないんだもの。興味ないかなーって思って。」
私「酷いよ。さよならも言えなかったなんて。」
母「済んだことはもういいでしょ?私はこれから1人で生きていかなきゃならないの。だからあんたには遺産は渡さないから。明日にでも手続きしてね。」
私「手続きってどうすればいいの?」
母「そんなの自分で調べなさい!いい?時間がないの!早くしてね!」
私「分かった。せめてお線香上げさせて欲しい。」
母「あー、今引っ越しの準備で忙しいの。だから家には来ないで。◯◯で永代供養したからそっち行って手を合わせたらいい。」
私「分かった。そこって‥‥」
私が言い終わらないうちに電話を切られた。
立っていられなくてその場で泣き崩れた。
「ママ大丈夫?」
息子が心配そうに抱きついてきた。
「うん、大丈夫。ごめんね。」
「僕がついてるよ。だから泣かないで。」
「有難う、うん、もう元気でたよ。」
そう言って笑った。
ふぅ、気づいてあげられなくてごめんねお父さん。
心から冥福を祈ってるよ。