それから、3日間は
俺はジュンの部屋に泊まり込んで
データの修整に没頭した

スンミが食事の用意をしに
部屋を訪れていたようだったが

ほとんど、ジュンの仕事部屋の中から
出ない俺とは
顔を合わせる事がなかった

開業当初からの社員で
俺の事を1番心配してくれている
レンに、この事を連絡した…

初めは呆れられたけれど
俺の性格を知っているせいか
最後には、納得してくれた

そうして…
本当に、三日三晩徹夜をして

やっと、図面の変更が終わった…

「ユノ…ありがとう」

俺の隣で、ずっと作業を
見守っていたジュンが
心から感謝をしたような表情で
頭を下げた

「こんなことまでしてくれて
俺を許して…くれるのか?」

ジュンは顔色を伺うように
俺の顔を見た

俺は、ジュンの瞳を見つめて
そして…黙って首を横に振った

「許した…訳じゃない…」

ジュンには、わからないだろうな
俺のこの気持ちは…

信じていたから…
裏切られた事は許す事が出来ない

だけど…
親友だったから…
見捨てる事もできなかった…

だから…
助けるのは…これが最後だ

俺は…自分の気持ちを全て
言葉にして伝えると
ジュンの顔を、静かに見つめた

「親友として、会うのはこれが最後だ

だけどね…友達だったんだから
何処かで会ったら…
挨拶くらい…しような」

「ユノ…」

ジュンは
全てのことを後悔したような
悲しそうな表情で
俺を見つめている

なんで…こんなに気持ちが
すれ違ったのか…

ジュンの気持ちは
多分、俺には一生わからない…

だけど…学生時代からの
楽しかった思いでは
俺の中にずっと残っているから

ジュン…お前は
やっぱり
俺の親友だったたんだ…

こんな…寂しい…
別れ方はしたくなかったな…

ジュンを見つめて
心のなかで、そう思った

「じゃあな…さよなら…」

それだけを言うと
ジュンに背中を向けて
その場を立ち去った…